水に強い作物の特性について研究し、水害に強い作物の改良に繋げたい学生 甲斐さん(以下学生) 学部で農学を幅広く学ぶ中で、日本の農業や作物について深く学びたいと考えるようになり、作物学が学べる本研究室を選びました。黒川助教(以下助教) 植物が自然の中で自生しているのに対し、作物は長い年月をかけて改良してきたものを指します。それが植物と作物の違いです。研究室では、イネ、ソバなどの食用作物やケナフ、ジュート、ワタなどの繊維作物を卒業研究の一環で栽培して、これからの環境変化に対応できる作物の育成を目指しています。学生 私はタイで多く生息しているケナフやジュートの湿害耐性には何が関与しているかを研究しています。今、日本では気候変動による水害の発生が増えています。ケナフやジュートの湿害耐性を稲などの作物の改良に転用していくのが大きな目標です。環境や社会の課題も解決したい!未知の現象に取り組む好奇心が研究の糧となる助教 研究では広い視野を持って取り組んでいます。例えば、ケナフやジュートの研究は品種改良やバイオテクノロジーの発展だけがゴールではなく、やがてはこれらの作物をバイオエタノールとして活用することも考えています。耕作放棄地やエネルギー問題など社会課題に着目することも研究の意義であると思います。学生 ケナフやジュートはあまり研究が進んでいない作物なので、情報が得られず苦労をすることもありますが、未知の現象を明らかにしたい!といった好奇心を糧に日々頑張っています。栽培や実験を通じて学びが深まる環境わからない事象に取り組む姿勢が成長を促す助教 本研究室は様々な作物を扱っているのが魅力だと思います。大学が所有する農場で1年間通して作物を栽培し、観察すればするほど多くの気づきがあり、講義で習った概念が自分の知識として修得されます。品種改良に向けた遺伝子の研究やデンプンなどの内容成分を測定する技術も身に付けられるのも魅力ですね。学生 私も栽培を通じて体験しながら実験を進めることで農学の知識が深く身に付いたと思います。学会での口頭発表を通じて、実験データから考察する論理的思考力や他者に伝えるプレゼンテーション能力を身に付けることができました。将来は研究に携わりたいと考えているので、これからも研究を進めて知識を深めていきたいです。助教 受験勉強ではわからない問題にぶつかることも多々あると思います。諦めず立ち向かおうと一歩踏み出す力を持って取り組み、大学でも研究の醍醐味を味わってほしいと思います。作物学(黒川 裕介)研究室学生 × 教員 インタビュー黒川 裕介 助教修士1年 甲斐 圭悟愛知県/名古屋南高等学校 出身114農学部 生物資源学科
元のページ ../index.html#115