MEIJYO_UNIVERSITY2026
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生活や経済に関わる諸問題のルーツを探究原典に触れることで得られるものを大切に学生 野々山さん(以下学生) 地元のために働く市役所の職員を目指しています。地域の経済や産業を学べば、将来に役立つと思い、産業社会学科に進みました。門准教授(以下准教授) ゼミナールでは私たちの生活や経済に関わる諸問題のルーツを探究し、過去にどのような議論がされてきたか学びます。現代に書かれた本だけでなく、西欧の古典を読む機会を設けているのは、原典に触れることで得られるものを大切にしてほしいからです。学生 1年次の基礎ゼミナールで履修した思想史では、イギリスの哲学者ヒュームが社会制度に大きな影響を与えたことを知り、おもしろいと思いました。今は労働をテーマに、サン=シモンやオーウェンなどの思想家が、働くことについてどう考えていたのかを比較しながらレポートにまとめています。思想家によって物事の捉え方が違い、自分が思ってもいなかったことを教えてもらっている感覚です。思想によってできた社会が技術にも現れていることを郊外学習で実感学生 ゼミナール活動の魅力は、さまざまな視点から経済思想を学べること。校外学習では美術館へ行き、西洋の絵画や工芸品、調度品を鑑賞しました。思想によってできた社会が技術にも現れていることがわかり、芸術的視点から経済思想の移り変わりを知ることができました。准教授 本ゼミナールでは美術館、博物館、図書館といった文化に関する施設を見学する機会を設けています。大学生の学びの基本は読書ですが、時には読書以外の方法で普遍的な知の遺産に触れるなど、いろいろな経験をしてほしいです。多角的な視点や情報を選別する力など社会で必要な実践力が身に付く学生 グループで思想家たちの共通点や類似点を分析し、発表したこともいい経験で、さまざまな視点から物事を考える力が身に付きました。この経験を活かし、複雑な課題に対して多角的に物事を考え、チームと協力しながら解決策を導き出せる社会人になりたいです。准教授 図書館の蔵書やデータベースなどを活用し、大量の情報の中から重要なものを選別する力や、プレゼンテーションのスキルも身に付いたのではないでしょうか。グループワークでパワーポイントを使って発表する際、ユニバーサルデザインに配慮した見やすい書体や色彩など、実践的なことも伝えています。どの能力も社会人として不可欠です。併せて、自分の人生や社会のあり方について、多様な角度からより深く考察する力を培ってほしいと願っています。近代西欧の社会思想史 (門 亜樹子) ゼミナール学生 × 教員 インタビュー3年 野々山 喜都愛知県/安城南高等学校 出身門 亜樹子 准教授052経済学部 産業社会学科

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