MEIJYO_UNIVERSITY2026
67/148

水害の多い地元エリアを対象に防災?減災対策を考える学生 相川さん(以下学生) 防災はこれからの都市計画に欠かせない重要な課題です。近年、自然災害による被害が深刻になっています。ゼミナールでは自分たちでテーマを考え、さまざまな着眼点や方法を用いて調査?研究を進めます。私は水害に弱い地元のまちを対象にして、高齢者や障がい者施設の防災について研究しています。柄谷教授(以下教授) 私たちのゼミナールのミッションは「自然災害から高齢者も障がい者も誰一人取り残さない減災社会の実現」です。自然外力を止めることはできませんが、防災や減災の視点から都市や社会をリ?デザインすることは可能です。「まち」「情報システム」「コミュニティ」の再構築に向けて、行政や企業、市民らと協働し、被害の最小化を目指しています。実際に高齢者?障がい者施設に赴いて課題をリアルに感じ、適切な提案につなげる学生 私の地元のまちは海抜が低く、水害リスクが高いのですが、高い建物が少ないために垂直避難が難しいエリアです。そのようなまちでも住民の誰もが安全に避難できるように、高齢者施設と障がい者施設に足を運び、防災対策についてお話を伺いました。その上で課題を提起し、解決策を考えています。教授 「自分の暮らすまちをよくしたい。人の笑顔を支えたい」気持ちは研究の原点です。水害リスクの高い地域での高齢者や障がい者の避難は難しい課題ですが、同じ目線で改善策を問い続ける姿勢が大切です。学生 私の地元は大きな川に挟まれているため被災時はすぐに浸水してしまいます。加えて高台が少ないので避難先は遠く、高齢者や障がい者を避難させるには人手や連携が足りないと感じました。そのため地域との繋がりをもっと大切にする必要があると思います。実学重視をテーマに、未解決課題に取り組み実社会で活躍できる人材へと成長する学生 防災の知識だけでなく、未解決課題に取り組むことで自分なりの視点を持って考える力や挑戦心やレジリエンス力が鍛えられました。卒業後は市役所職員として、防災計画作りをはじめ、安心安全なまちづくりに関わっていきたいです。教授 都市情報学科の魅力は、実学重視であることです。例年、能登や東北などの被災地を訪問し、被災者の声に耳を傾けて、現場のリアルを体感しています。こうした経験によって、相川さんのように、地域に飛び込み、現場で共に考え、分析した研究成果をフィードバックできるようになります。都市計画は机上だけでは成り立ちません。リアリティあふれる学びの中で未来の社会を築く人たちを育てています。都市?防災計画、リスクコミュニケーション (柄谷 友香) ゼミナール4年 相川 七海愛知県/富田高等学校 出身柄谷 友香 教授学生 × 教員 インタビュー066都市情報学部 都市情報学科

元のページ  ../index.html#67

このブックを見る