MEIJYO_UNIVERSITY2026
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微分方程式に関する専門書を輪読し、内容を説明する学生 川嶋さん(以下学生) 高校時代の数学の先生が「できる楽しさ」を教えてくれる方でした。自分もそんな教師になりたいと考え、数学科を目指しました。研究室では、解析学の一分野である微分方程式の基礎理論を学び、さまざまな解法や方程式の解の性質や挙動を調べる定性的理論に取り組んでいます。柴田准教授(以下准教授) 微分方程式とは、物理現象を表す際に使われる数学です。研究室では微分方程式に関する専門書を1つ選び、その内容をしっかり理解することを目標にして、輪読形式で学びます。毎回、研究室の学生が読んで理解した内容を発表し、聞く人が細部まで疑問なく理解できるようになるまで議論やフォローをしています。高校までの数学とは異なり、大学では正解を見つけて終わりではない学生 高校で学んだ数学とは異なり、単に解を求めるだけでなく、その解が持つ意味や特性を深く理解することを目指しています。最初の頃は専門書で読んだことを説明するだけで、先生から「なぜそうなるの?」などと指摘を受けることが多かったのですが、最近では背景や論理の流れを自分なりに補完しながら読み進めることができるようになりました。准教授 何となく理解していることも、いざ説明しようとなると言葉に詰まることが多々あると思います。高校までの数学では設定された正しい答えを見つけることができれば「正解」とされたかもしれません。しかし、大学での学びでは自分が見つけた答えが正しいかどうかを、自分で保証することが求められます。大学の数学はそこが違うということを理解しつつ、数学を楽しんでほしいと思います。論理的に理解する技術が身につきその思考力は社会でも役立つ力になる学生 専門書の内容は難しく独学では理解できないこともありますが、他の学生と意見交換しながら学ぶことで理解が深まります。特に印象的だったのは、行列の指数関数について学んでいた時のことです。理論の証明や性質を学んだ時に、数学が単なる計算ではなく、美しさを伴った学問であることを改めて実感しました。准教授 数学科では、広い数学分野の中でも、基礎的かつ、より進んだ学習に役立つ可能性の高い内容を学びます。授業や研究室で、定理の証明など細部まで気を配って学習し続ければ、事柄を論理的にしっかり理解する技術が身に付き、その思考力は社会に出てからも大いに役立つと思います。非線形偏微分方程式論 (柴田 将敬) 研究室学生 × 教員 インタビュー4年 川嶋 康太岐阜県/本巣松陽高等学校 出身柴田 将敬 准教授074理工学部 数学科

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