10月下旬の全日本大学女子駅伝で8年ぶりに優勝を逃し、4位と苦杯をなめた名城大学足球竞彩网_英皇娱乐-任你博首页推荐。12月30日に開催される全日本大学女子選抜駅伝(略称:富士山女子駅伝)で雪辱を果たすべく、師走のグラウンドで練習に励んでいる。富士山女子駅伝は2018年に初優勝して以来6連勝中で、今年は7連覇に挑む。12月2日にチームエントリーが完了。全日本での登録選手10名に、柳樂あずみ選手(3年)、田中咲蘭選手(2年)を加えた12名がエントリーされた。今年の締めくくりとなる大会へ向け、奮闘する選手たちの近況を紹介する。
過去3年間、二大駅伝すべてに出走してチームの連覇に貢献してきた主将の谷本七星選手(4年)は、全日本大学女子駅伝終了後の数日間、不甲斐なさや喪失感、無力さから練習中にも涙が止まらないことがあったという。しかし、マイナスな気持ちをすぐに切り替え、次の目標に向かって走り出した。
「負けて本当に悔しいから、富士山では七星先輩が笑って終われるようにしよう」と話す後輩たちの言葉にも背中を押され、頼もしい姿でチームを牽引。名城大学のユニフォームを着て最後の襷リレーとなる富士山女子駅伝では、「(同じ区間を走る)日本人には絶対誰にも負けない、という気持ちがあります。〝挑戦しながら楽しむ?ということを目指してやっていきたい」と意気込んでいる。
4年生のエントリーは谷本選手1人となったが、同じ学年の仲間の存在が不可欠であることは言うまでもない。戸村文音さんは選手として入部し、3年生の夏にマネージャーへ転向。最高学年になってからは主務として部内外のことを切り盛りしてきた。
今年度はチーム状況が必ずしも良いとは言えないのを感じており、特に全日本大学女子駅伝後には自身も「変わらなければいけない」と腹をくくった。「私の性格的に(チームメイトに)誰かに何かを強く言うのが難しいのですが、締めるところは締めないといけない。この1ヵ月の過ごし方がピーキングへのカギを握ってくると思うので、それを少しでも支えて、選手をいい状態で臨ませたい」と誓う。「七星はこの1年間、4年生の中で走りにおいては1人でチームを引っ張ってきたので、富士山女子駅伝では七星を胴上げして終わりたい」ときっぱり。幾多の喜び、悔しさも一緒に味わってきた同期のキャプテンと共に、最後はすべてをやり切った思いで締めくくることを目指している。
副主将の米澤奈々香選手(3年)は全日本大学女子駅伝では1区9位と苦しい走りとなり、悔しさと共に、虚無感や現実と向き合えない感覚があったという。
一方で、明るいキャラクターの選手らしく、「チームが暗くなっている中で自分も暗さを出してしまったら雰囲気が一気に悪くなってしまう」と前を向いて奮起。チームメイトの励ましもあり、「悔しがっても負けは変わらないから、そういう現実と向き合わなければいけないと思えるようになった」という。
右足底部の痛みに長く悩まされており、入念にケアしながら練習を続けている米澤選手。万全の状態にはもう一歩で、12月中に出場予定のトラックレースでチームを勢い付けられる良い記録を出し、その勢いで年末決戦に挑む青写真を描いている。
11月17日、オランダのナイメーヘンで開催された15kmロードレースに谷本選手、米澤選手、そして原田紗希選手(3年)を含めた3人が出場した。原田選手は今年3月に行われた日本学生女子ハーフマラソン選手権の結果(4位)により日本学生陸上競技連合の派遣選手として、谷本選手と米澤選手は名城大学足球竞彩网_英皇娱乐-任你博首页推荐の遠征として参加。結果は谷本選手が49分40秒で6位、米澤選手は50分42秒で13位。原田選手は直前に患った風邪の影響もあり、52分30秒で20位だった。
谷本選手は「(富士山女子駅伝では)長い距離の区間を走ると思うので、(オランダのレースで)ロードの自信が付き、いいイメージが持てた」と充実感を示した。米澤選手はトラックの10000mも未経験の中での15kmへの挑戦に、「走りきれて良かった」と頬を緩ませた。今後、距離を延ばしていくことへの手応えも得たようだ。
原田選手は、11月中は調子が上がらず、悩みの多い日々だったと明かす。
オランダでのレースでは大会前に体調を崩したこともあって良い結果を望めず、「恥をかく覚悟」での出場だった。帰国後も気持ちは塞ぎがちで、「家族や先生、チームメイトにも心配をかけたと思うので、富士山女子駅伝ではちゃんと(状態を)戻したところを見せて恩返ししたい」と話す
3年生は、これまで二大駅伝皆勤の石松愛朱加選手や、富士山女子駅伝で2年連続1区区間賞の柳樂選手、今年の全日本で全国駅伝デビューを果たした上野寧々選手らタレント豊富な学年。富士山女子駅伝でもこの学年から5名がエントリーされ、上級生として中心的な役割を担うべく、各自が日々鍛錬を重ねている。
2年生以下も上級生に負けじと気勢を上げる。なかでも瀬木彩花選手(2年)は、故障者が少なくなかった今季のチームの中で継続した努力が実を結んできた貴重な存在だ。入学以来ケガなどの大きなトラブルなく練習を続けている。
全日本では自身初の学生二大駅伝ながら、4区区間4位と健闘。それでも「やっぱり勝ちたいし、自分が強くならないと」という悔しさを味わい、「強くなるためには練習から何か変えていかないといけない。ジョグもペースやフォームを意識し、ポイント練習でも自分の限界を決めないでやっている」と自己改革中だ。
12月1日の日体大長距離競技会5000mでは15分57秒04の自己新をマークし、目標にしていた15分台にも到達した瀬木選手。「富士山女子駅伝では何区を任されても走れる状態にしたいですが、自分がチームに勢いをつけたいと思うようになり、今は1区を走りたい」と意欲的だ。
同じ2年生の山田未唯選手、力丸楓選手が、今年の全日本大学女子駅伝は故障の影響で出走できなかったこともあり、「富士山女子駅伝では一緒に走ろう」と同期で励まし合いながら士気を高めているという。
全日本大学女子駅伝ではルーキーの起用はなかったが、富士山でその姿が見られる可能性が十分ある。山田桃子選手は「全日本大学女子駅伝では〝残り1枠?を争っていたのですが、補欠になってしまったのが一番悔しかった。まずは5000mで15分台の自己ベストを出し、富士山女子駅伝では自分が走って連覇したい」ときっぱり。同じくメンバー入りを目指す1年生の近藤希美選手と日々切磋琢磨しながら練習を積んでいる。
富士山女子駅伝は7区間43.4kmで行われ、今年は単独校22、選抜2の計24チームが参加予定となっている。コースは最終7区(8.3km)に高低差169mの過酷な上り坂が待ち受けているのが大きな特徴。最長区間は5区の10.5kmで、5?7区が全体の距離の約半分を占めるように、後半の比重が大きいこともポイントだ。全日本よりも1区間増えることから、選手層の厚さも重要な要素となってくる。
前回大会では谷本選手が5区、原田選手が7区を担当しており、今年も長距離区間はこの2人が担うことでチームの足場を固められるよう米田勝朗監督は構想を練っている。だが、前半区間は大会直前まで各選手の仕上がりを見極めて配置する意向で、ぎりぎりまでベストオーダーを模索していく。
「全日本大学女子駅伝後、一人ひとりがしっかり考えているようなので、こちらからあれこれ言うようなことはしていません。どんな取り組みをしていくかは彼女たち次第」と米田監督。選手の主体性に任せる指導方針は、今年も変わらない。
富士山女子駅伝まで1ヵ月を切り、これから劇的な走力の向上が求められるわけではなく、長期計画で取り組んできたことをいかに研ぎ澄ませ、気持ちも高めて大会へ臨むことを重視。
指揮官には「仙台(全日本大学女子駅伝)の時よりも『変われた』というものをつかんでほしい」という願いがあり、来年以降もチームに残る3年生以下には「1年で日本一を取り返せるかが勝負」と捉え、「今後の発展につながるレースを実現すること」をテーマにしている。
大学生活の集大成のレースに向けて、谷本主将は以下のように抱負を述べた。
「絶対に悔いが残らないような走りにしたい。走りだけでなく、それまでの過ごし方などでもチームの中にいい影響を与えられるように、キャプテンとしてここまでがんばってきた証を残せたと思える駅伝にしたい。これまで数えきれないくらいたくさんの方々の支えを受けながらここまで来れているので、結果で成長した姿を見せて締めくくりたい」
富士山女子駅伝は12月30日、午前10時00分にスタート。富士山麓で頼もしい姿を披露すべく、最後の調整に余念がない。
<2024富士山女子駅伝 名城大学のエントリーメンバー>
4年生 谷本七星
3年生 石松愛朱加、上野寧々、柳樂あずみ、原田紗希、米澤奈々香
2年生 瀬木彩花、田中咲蘭、山田未唯、力丸 楓
1年生 近藤希美、山田桃子
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