10月29日の全日本大学女子駅伝で7年連続8回目の優勝を成し遂げた名城大学足球竞彩网_英皇娱乐-任你博首页推荐。
12月30日に開催される全日本大学女子選抜駅伝(略称:富士山女子駅伝)を控えた師走のグラウンドでは、部員たちが今日も練習に勤しんでいる。富士山女子駅伝では昨年までに5連覇を達成しており、6年連続6回目の優勝とともに、6年連続の学生女子駅伝2冠も懸けて臨むこととなる。
12月4日には出場する全24チームが決定し、名城大学足球竞彩网_英皇娱乐-任你博首页推荐もチームエントリーが完了。全日本大学女子駅伝で登録された10名に、大河原萌花選手(2年)と平田優月選手(1年)を加えた12名が登録された。今年の締めくくりへ向かって精進するチームの近況と、大会への意気込みを紹介する。
全日本大学女子駅伝が終わった後も、各選手がそれぞれの目標を持って競技会へ参加している。
11月19日に香港で行われた第1回東アジアハーフマラソン選手権大会に原田紗希選手(2年)が日本代表として出場し、1時間13分19秒で銀メダルを獲得した。今年7月のアジア選手権大会(タイ?バンコク)で1500m4位?3000m障害銀メダルの実績を持つ許双双選手(中国)と7秒の僅差で優勝を逃し、「金メダルが目標だったので少し悔しいです。スピードのある選手だとわかっていたのですが、ロングスパートをする勇気が出せませんでした」と常に自分に厳しい原田選手。昨年の富士山女子駅伝では、走る準備をしていた区間があったが、大会前の故障で出走できなかったことから、「今年はしっかりその区間を走りたいです。監督からは苦しくても粘れるという気持ちの面を評価してもらっていると思うので、気持ちで負けずに走りたいです」と意気込んでいる。
同じく11月19日、来年2月に行われる世界大学クロスカントリー選手権(オマーン?マスカット)の選考レースを兼ねた10000m記録挑戦競技会が東京?国立競技場で実施され、谷本七星選手(3年)と薮谷奈瑠選手(1年)が出場し、それぞれ17位(33分30秒25)、11位(33分06秒52)の成績だった。谷本選手は世界大学クロスカントリー選手権の代表権獲得を目標としていただけに、「狙っていた大会で体調が合わせられず、うまく走れませんでした」と肩を落とした。「だからこそ、富士山女子駅伝に気持ちをぶつけ、悔しさを晴らしたいです」と駅伝での雪辱を狙う。
12月2日の日本体育大学長距離競技会5000mには駅伝メンバーの候補となる選手たちが出場し、多くの選手が自己新やシーズンベストをマークした。
米澤奈々香選手(2年)はシーズンベストの15分33秒66を記録。6月のU20アジア選手権以来およそ半年ぶりのトラックレースで、「久しぶりなのでどのくらいで走れるのかわからないところもありますが、15分台は確実に。15分40秒切りができるように考えてレースを進めたい」という事前の考えどおり、自己記録に約2秒と迫る好タイムで走破した。「昨年は富士山女子駅伝を良い状態で迎えられなかったので、今年はこの後もしっかり練習を積み、任された区間を全うしてチームに貢献したいです」とベストパフォーマンスを発揮できるよう準備を進めている。
この競技会では谷本選手が15分49秒41、石松愛朱加選手(2年)がシーズンベスト15分55秒77と、全日本大学女子駅伝で活躍した選手たちが15分台をマーク。石松選手は目標としていた自己記録更新にはわずかに届かなかったが、「スピードを磨いて、駅伝ではチームに勢いをつけたい。大会当日に100%の状態にできるよう仕上げたいですね」とさらにコンディションを上げていくつもりだ。
このほか柳樂あずみ選手(2年)が16分00秒46のシーズンベスト、大河原選手が16分12秒98で自己記録を更新した。また、1年生の山田未唯選手が15分58秒36の大幅自己新で15分台ランナーの仲間入り。同じく1年生の力丸楓選手も16分03秒36の自己新と、風邪で数日間の練習中断もあったなかで奮闘した。
1年生は薮谷選手、力丸選手が全日本大学女子駅伝に出場したが、「この2人だけが突出しているわけではない。山田が15分台で走ったので、他の1年生は『私ももっと走れるようにならなくては』という気持ちになっていると思います」と米田勝朗監督。お互いに高め合い、富士山女子駅伝でもフレッシュな風を吹き込みそうだ。
富士山女子駅伝のエントリーメンバー選考の上で重視する競技会と位置づけていたこの日のレースで選手たちは好走したが、米田監督は「全体的にまだ身体が絞りきれていないので、このくらいの結果にとどまりました」と、試合内容には必ずしも満足していない。「トラックレースでも実業団選手と互角に渡り合っている駒澤大学さんのような、ああいった強さを求めたいと思っています」。男子の学生駅伝で昨年度3冠を達成、今年も連勝している駒澤大学を引き合いに出し、実業団に比肩しうる学生チームとして、さらなる高みを追求している。
4年生 増渕祐香
3年生 谷本七星
2年生 石松愛朱加、大河原萌花、柳樂あずみ、原田紗希、米澤奈々香
1年生 瀬木彩花、平田優月、薮谷奈瑠、山田未唯、力丸 楓
チームが同じ目標に向かって取り組むことができるのは、最上級生がリーダーシップを発揮しているから。今年の4年生は部員数こそ少ないものの、チームの中心として1年間、部を統率する役割を担ってきた。彼女たちに名城大学での日々を振り返ってもらった。
<主将 増渕祐香選手>
1年時から駅伝メンバーとして活躍してきた増渕選手。今年度はキャプテンとして部を率いている。二大駅伝では1年時から3年時まで連続で出走し、6大会のうち5大会で区間賞を獲得。1年時の富士山女子駅伝(6区)と3年時の全日本大学女子駅伝(6区)では区間新記録も樹立するなど力を発揮してきた。今年は5月に仙骨の疲労骨折を起こし、トレーニングができない時期は「苦しく、(時間が)今までの倍の長さに感じるくらいだった」と、これまでの競技人生のなかでも特につらい日々だと感じていたという。
最終学年の今年、全日本大学女子駅伝では出走メンバーに入ることができず、すごく動揺したそうだが、そこから心をくじくことなく改めて奮起。11月12日に福島で行われた東日本女子駅伝では、優勝した東京チームの最終9区(10.0km)を走り33分01秒で区間賞。自身としても会心の出来栄えだった。「あの時の悔しかった気持ちを忘れないようにしたい」と自らの糧にして競技に取り組み続けている。
大学に入学して間もない頃はホームシックを感じ、大学限りでの競技引退を考えたこともあったそうだが、大学で経験を重ねるにつれて気持ちは変化。実業団ランナーとして競技続行の決意を固め、卒業後は第一生命グループへの入社が決まっている。いずれはフルマラソンへの挑戦にも意欲を見せており、もちろん駅伝での活躍も目指して取り組んでいくそうだ。
<主務 黒川 光マネージャー>
黒川さんは指定校推薦で名城大学への進学を決めた時点ではマネージャーとしての入部予定だったが、入学前に「選手生活を続けたい」と希望を変え、1、2年時は選手として練習に励んできた。この期間、駅伝でのチームの優勝を喜ぶ一方で、「自分は何も貢献できていない」と感じていたという。
マネージャー転向への決意に至ったのは学生生活も折返しの時期だった2年生の1月。「学生生活全体を通じて考えると、マネージャーになってからの日々の方が印象深いです」と話すように、自身の尽力がチームへ波及していくのを実感できるようになっていったそうだ。スタッフ陣と連携し、選手ともコミュニケーションを重ねる役割のなかで「精神的にも鍛えられた」と、自身の成長も感じている。
多忙な生活の中、教職課程も履修。秋には大学院の入試を受験し、みごと合格。大学では中学?高校の社会科の教員免許を取得中だが、大学院進学後に保健体育でも資格をとり、将来的には体育の教員や陸上部の指導者となる夢を抱いている。
富士山女子駅伝に向けては、「最後まで油断せず、もう一度優勝を勝ち取って笑顔で有終の美を飾りたいです」と気合が入っている。
現在の4年生が入学した2020年春は新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きな時期で、先の見えない学生生活のスタートとなったが、大学で過ごしてきた日々は充実したものだったようだ。これまでの卒業生たちとともにタスキをつないだ駅伝では、入学以来負け知らず。増渕選手は「(富士山女子駅伝が)私個人としては4年間の集大成となりますので、いい走りでチームに貢献したい」と名城大学での最後の大舞台での快走を目指して励んでおり、米田監督も「しっかり走り、結果を残して卒業していってほしい」と期待を寄せている。
富士山女子駅伝は昨年までと同様、7区間43.4kmで行われる。全日本大学女子駅伝よりも1区間増えるのは、選手層の厚さを誇る名城大学足球竞彩网_英皇娱乐-任你博首页推荐にとっては有利な材料だ。それだけに、優勝だけでなく、より高いレベルの内容を求めたいと考えている米田監督。「やるべきことをしっかりやった上で勝たなくてはならない。そうでなければ来年にも悪い影響が残ります。私としては、やらなければいけないことができていないのなら負けてもらった方がいいくらいです」との厳しい考えで、部員たちに発破をかけている。
「学生女子駅伝2冠というチームとしての目標が達成できるよう、一人ひとりが強い思いを持って臨みます」とキャプテンの増渕選手。米田監督も「下級生が、『絶対に先輩を勝たせて卒業させたい』と思えるような振る舞いで、最後までチームをまとめてほしいですね」と、最上級生の求心力を頼りにしている。
増渕選手は名城大学での駅伝の経験を通じて「面識がない方からも応援していただけることが(高校以前より)増えたのを感じました」と、周囲からの応援に深謝。卒業後にも競技を続けたいと思うようになったのは、そのような後押しがあったから。大きなサポートに応えるべく、決戦の日まで全力を尽くすことを誓っている。このチームでのラストステージまで残り数週間。抜かりない準備で最高の結果を実現するつもりだ。
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