清水侑真さん（薬学研究科博士課程2年 病院薬学研究室）

第8回日本精神薬学賞（学生の部）

2024年9月22日

統合失調症患者における社会参加の促進を視野に入れた認知機能評価法の開発

　統合失調症患者において就労につながる認知機能評価が重視されていますが、既存の評価法では実臨床への導入が困難となっています。清水 侑真さんは、統合失調症患者を対象に新たな評価法である精神運動機能試験（PFT）と既存の神経心理学的検査（NT）および就労などの社会?生活機能に関連する精神障害者社会生活評価尺度との相関性について検討を行いました。その結果、PFTにより評価された認知機能障害は、既存のNTおよび社会?生活機能と密接に関連していることが明らかになったことから、PFTは統合失調症患者の実臨床における認知機能を評価する上で、その有用性が高いことを示しました。本研究で得られた知見は、認知機能改善を考慮した薬物療法の選択ひいては患者の社会参加の促進において大いに貢献するものと考えられます。