カンボジア海外研修:3日目!
2024.02.09
カンボジア海外研修3日目は、キリングフィールド(チュンエクジェノサイドセンター)とトゥールスレン虐殺博物館を訪問し、1975年から1979年までのポル?ポト政権時代に行われた凄惨な大量虐殺について学びました。また、夕方からは、フリースクールの愛センターを訪問し、英語クラスと日本語クラスで学ぶ小学生から社会人までの生徒との交流を行いました。特に日本で働いたり学んだりすることを目指している日本語クラスの生徒たちとの交流は、名城生にとって大変貴重な経験となりました。
キリングフィールド
学生の感想:鶴田莉彩
キリングフィールドとは、ポル?ポト政権の時代に、多くの知識人や僧侶、その家族たちが処刑された場所です。キリングフィールドに向かうバスの中で現地ガイドのポーキーさんから、虐殺について実体験を踏まえたお話を伺いました。トゥールスレン(S21)のような収容施設から運び出された人たちが、キリングフィールドで殺されていったことを教えていただきました。
キリングフィールドを訪問して印象的だったのは?キリングツリー?です。キリングツリーとは、赤ちゃんの殺害に使われた木のことです。クメール?ルージュは赤ちゃんの足を持ち、頭をキリングツリーに叩きつけて殺害しました。キリングツリーによって約100人の子どもたちの命が奪われたことを知り、あまりの残酷さに言葉を失いました。
また、キリングフィールドの中にあった母と子の石像も非常に印象的でした。その石像には、“Never will we forget the crimes committed during the Democratic Kampuchea regime”と書かれていました。意味は、?民主カンプチア(ポル?ポト)政権時代の犯罪を決して忘れない?というものです。このメッセージから、私たち若者は同じ過ちを繰り返さないためにも、歴史についてより深く学ぶ必要があると考えました。
トゥールスレン虐殺博物館
学生の感想:岸芙子
ポル?ポト政権の時代に収容所(S21)として用いられた建物(元高校)が、現在のトゥールスレン虐殺博物館となっています。そのため、博物館の周りは収容者の脱走を防ぐための有刺鉄線が張り巡らされていました。エンジニアや公務員といった「頭の良い人」とその家族など約2万人の方が収容されたそうです。
博物館は4つの建物から構成されていました。1つは尋問や拷問に使われた建物です。部屋の中にはベッドがあり、収容された人が寝かせられ、足枷をつけられた状態で尋問を受けました。他には独房として使われた建物がありました。建物の中にはシングルベッド一台分ほどの広さに区切られた部屋がいくつもありました。部屋の中には足枷のための鎖とトイレ用の箱がそのまま残されており、当時の状況がうかがえる生々しさがありました。その他の建物内には、ほぼ全ての収容された方の顔写真が展示されていました。また、収容所で拷問に使用された道具や虐殺された方の頭蓋骨なども多数展示されていました。
博物館の見学を通じて、カンボジアでかつて起きた虐殺の歴史を肌で感じることができました。現地に行かなければ、このような経験はできませんでした。本日は虐殺の歴史を学び、平和の大切さについて改めて考えさせられる一日でした。
愛センター
学生の感想:庄田妃織、馬場小雪、日永侑利
愛センターは募金やクラウドファンディングで集めた資金を使って運営している、無償の「塾」のようなセンターです。本日の訪問では、まず愛センターで日本語を教えているボランティアの春木先生から、カンボジアの教育の現状と子どもたちが抱えている課題を踏まえて、愛センターの活動内容について説明していただきました。
次に、英語クラスと日本語クラスで学ぶ小学生、中学生、高校生、大学生、社会人など様々な年齢の生徒たちと2時間の交流を行いました。交流の前半では、名城生から日本の文化を紹介し、関連するクイズを出題しました。生徒たちから多数の質問が寄せられ、またクイズにも積極的に回答してくれたので、出題している私たちも感動しました。
交流の後半では、日本語クラスの生徒たちと一緒に歌を歌い、日本やカンボジアなどについて互いに自由に質問し合う座談会を行いました。好きな日本語について質問すると、多くの生徒が前向きな意味を持つ言葉を答えてくれました。日本語を熱心に学んでいる様子を窺うことができ、日本人としてとても嬉しい気持ちになりました。
座談会で特に印象的だったのは、勉強に対するカンボジア人と日本人の「思い」の違いについてです。座談会の中で、日本人は「勉強が好き」だと答える人はあまりいないが、カンボジアの子どもたちは「勉強をすることが大好き」だと答える人がほとんどだという話しがありました。その理由を愛センターの生徒たちに聞いたところ、「貧困から逃れたい」「家族に豊かになって欲しい」「良い仕事につきたい」「楽しいし、成功者になれる」といった回答がありました。カンボジアの子どもたちの勉強に対する思いに大きな刺激を受けました。そして、最後に名城生がどのような夢を持っているかについて質問され、それぞれが回答しました。互いに異なる環境で暮らすカンボジアの子どもたちと日本語で交流することができ、とても良い経験となりました。
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