育て達人第010回 丹下 富博
50周年迎えた校友会 記念行事までカウントダウン 関心も急上昇
校友会創立50周年記念行事実行委員長 丹下 富博 さん
創立50周年を迎えた校友会は7月20日、名古屋国際会議場(熱田区)で記念行事を開催します。卒業生数約16万人というマンモス規模の校友会にとって、区切りとなる記念の大イベント。記念行事実行委員長として開催準備に取り組んできた丹下富博さん(薬学部卒)に開催まで秒読み段階に入った心境を語っていただきました。
――創立50周年。所帯が大きいだけに、取りまとめも大変だったと思います。
校友会事務局で打ち合わせをする丹下さん(左)
実行委員長を引き受けたのが2年前の8月。式典、ステージ企画、支部担当や大学企画など7つの部会を中心に準備を進めてきました。実行委員は、ともに仕事を終えて、夜からの会議のために天白キャンパスの校友会館に飛び込む日々でした。 最近は週5、6日のペースです。
――記念事業では5本の柱を掲げています。
50周年だけでなく、次の100周年を見据えて①次世代に向けた新しい校友会づくりのコンセプトを発見する機会にする②一過性のイベントとしてではなく、持続性のある事業へ向けた「きっかけづくり」とする③校友同士の交流を深めながら、母校の魅力を再認識?再発見する場とする④各学部の企画や若年会員が積極的に参画できるイベントとする⑤全国の支部を活用し、全国への魅力を発信する――を策定しました。特に、若い会員に積極的にかかわってほしいと思いました。それと、林譽史朗 校友会長がよく「和」という言葉を出されるように、校友会のネットワークの広がりが大切だと考えています。
――これまでの反響はどうですか。
50周年記念のホームページを校友会総務委員会により昨年7月にアップしましたが、今年5月中旬までのアクセス件数は約3万5000件。それが、希望会員全員に送られている「名城大学通信」の5月号で記念事業について紹介したこともあり、一気に増え、6月末までに9万件に達しました。関心が一気に高まったという手ごたえです。記念行事の当日参加者は、名古屋国際会議場のセンチュリーホール収容定員の3000人となりますが、その他にも心に止めている卒業生はたくさんいるわけです。6月後半から名古屋の主要駅にもポスターを張り出していますので、さらに反響が高まると思います。
――やはり6月後半から、ホームページ冒頭の丹下さんのあいさつ中に「若い卒業生の皆様へ」という項目が追加されました。
参加申し込みで圧倒的に多いのが年輩会員。新たな参加者を増やすには若い会員たちに動いていただかなくてはなりません。ホームページにでは「この機会に、是非とも、新しい同窓たちと出会って下さい」「長~いあいさつはやめて、母校の魅力を再認識?再発見できるような、そんな記念式典にしたいと思っています」とメッセージを書き込みました。
――最近、母校を強く意識したことがありますか。
名城大学は名古屋ではよく知られた大学です。しかし、東京の私大の中には、例えばお笑い番組のネタにされても、笑われている分、多くの人に知られている大学もありますし、その大学の学生たちには母校への愛着が自然に身についていると思います。残念ながら本学を含め、名古屋の大学では母校を強く意識する場面がなかなかありません。そうした中で昨年12月、瑞穂ラグビー場で名城×関西学院戦を観戦しました。悲願の全国大学選手権出場をかけた一戦で、たまたま出かけたのですがすごい人でした。27対12でリードしていた試合は、残り15分で3トライされ、まさかの逆転負け。しかし、私を含め応援した卒業生たちは、誰もが「おお、名城、やるじゃん!」と胸を張りながら、さわやかな感動を覚えたと思います。50周年記念事業でも、そういう連帯感が感じられる集いにしたいと思いました。
――記念行事の準備に取り組んでいて、母校に対する意識に変化はありましたか。
正直言って、私は実行委員会の仕事に関わるまで、校友会への帰属意識はそれほど強いものではありませんでした。しかし、愛知県内や近郊で開かれた各支部や各同窓会の総会などにはほとんど顔を出し、何回も委員会を重ねていくうちに、想像した以上に、幅広く活躍されている卒業生の方々を知り、校友会活動が楽しくなってきました。地方議員として活躍されている方も多いし、規模は小さくても社長として頑張っているOBも多い。しかし、私たちの知らないところで活躍している卒業生たちはたくさんいます。 今回の記念事業では連携できなかった卒業生の方々たちとも、ぜひ次はスクラムが組めればと期待しています。
――OBとして、現役学生たちへのメッセージをお願いします。
私は学生時代、薬学部の硬式野球部に所属していました。その当時、何かと相談に乗っていただいた、かなり年上の先輩の方々との付き合いもいまだに続いています。卒業後、紆余曲折の人生で、悩んだり、つまづいたりした時、大きな支えとなったのが先輩たちの励ましでした。利害が絡まない人たちからのアドバイスは適切です。同じ母校を共有する先輩だからです。そうした利害から離れた友人や先輩たちと巡り合えるのが学生時代です。ぜひ、そういう出会いを体験してほしいと思います。
丹下 富博(たんげ?とみひろ)
名古屋市出身。薬学部卒。 製薬会社勤務を経て、現在は調剤薬局を経営し、愛知県内を中心にチェーン展開中で東京都内にも店舗を持つ。ハワイに現地法人を設立し介護事業にも乗り出した。ファインメディカル代表取締役社長、薬学部同窓会副会長、愛知県薬剤師連盟役員。46歳。