大学概要【2021年度実施分】地域のまちづくり活動-宿泊施設を活用した地域まちづくり
理工学部
近年新たな宿泊施設の業態として需要が拡大しつつある「宿泊施設型ゲストハウス」を中心に、わが国が直面する空き家活用?地域活性化の手段、インバウンド(訪日外国人旅行客)等の受け皿としての可能性を追求する実践的な取組であり、行政や住民とのワークショップにより、これからに向けた提案を行う。なお、特に「分散型ホテル」の優れた事例である「NIPPONIA美濃商家町」の経営?運営やまちづくりに関わる主体との連携に注力する。
ACTIVITY
民家を活用したシェアオフィス&ゲストハウス「WASITA MINO」の取り組みへ参画
2021/12/27
MS-26のこの取組では、「宿泊施設を活用した地域まちづくり」の先進モデルとして、岐阜県美濃市を位置づけ、この諸活動に関わっている。
岐阜県美濃市では、2019年に分散型ホテルである「NIPPONIA美濃商家町」を開業し、みのまちや株式会社が中心になって、重伝建地区のまちづくりを行っている。この一環で、8月に「WASITA MINO」が開業された。
2021年7月22日、開業に向けたイベントの一つである外構工事に参画した。参加メンバーは、「WASITA MINO」の活動に取り組んでいるメンバー10数名であり、暑い中で共に汗を流すことにより、更に心が一つになっていく実感を覚えた。
なお、施設内の機能としては、1Fにコワーキングスペース?ミーテイングルーム、2Fにプライベートオフィスとチームでのリモートワークに活用頂けるチームルーム。併せてゲストハウス(3室)、レストラン/カフェも併設されている。まさに、「働く場」と「暮らす場」の共存、そして「まちで働く」ことの拠点となる。
引き続き美濃市では、古民家を活用した取り組みが計画されており、この課題としても引き続き協力していく予定である。(建築学科 高井宏之)
ゼミ生で岐阜県美濃市の重伝建地区の視察調査、レクチャー&ディスカッション
2021/12/27
岐阜県美濃市は、分散型ホテル「NIPPONIA美濃商家町」「WASITA MINO」の開業など、まちづくりの取り組みを積極的に行っている。
本課題のメンバーはこの取り組みに参画?調査研究をしているが、11月3日?4日、研究室メンバーで、重伝建地区の視察、空き家の視察、みのまちや株式会社の辻晃一社長からレクチャーを受けディスカッションを行った。(建築学科 高井宏之)
ミノマチヤマーケットの出店者リサーチ&運営サポート
2022/01/24
岐阜県美濃市では様々なまちづくりに関わる活動が行われており、この中の重要な活動の一つがミノマチヤマーケットであり、2021年12月3~5日に開催された。これは重伝建地区を中心とした歴史町に、広く外部の方に訪れ親しんでもらうイベントであるが、一方で空き家を含めた町家活用の新たなプレーヤーを発掘する取り組みでもある。
本課題では、このミノマチヤマーケットをまちづくりの有益な手法と捉え、出店状況の観察、出店者へのアンケート、およびローカルビジネスカレッジMINO(学生による地域資源を活かしたビジネスプランを作成?実践)によるマーケットの運営サポートへの参画を行った。また、ミノマチヤマーケットも含めたまちづくり全体に取り組む関係者へのヒアリングを行った。
具体的には次の通りである。出店状況は、道路に面する町家の小空間を活用しているが、町家を背景に見栄えのする店構えとなり、まちににぎわいを提供していた。
出店者は、日常的にこの地で営業している店舗がイベント用の顔をもつケース、地元や地縁のある方がこの時のみ店を構えるケース、各地のイベントに巡回出店しているケースなど多彩であるが、いずれもまちの魅力に共感した方々であった。
ローカルビジネスカレッジMINOはマーケット当日の案内役を行い、関係者へのヒアリングもまちづくりの運営に関わる幅広い方の協力を得た。
まちのにぎわいには常設店舗が多いことが理想だが、後背人口や定常需要の少ない地域では、このような特定日のイベント、特定時間に登場するキッチンカーなども一つの手法である。ただ、その手法が機能するには、特定の日?時間に登場するプレーヤー、場を設定するまちづくり組織の企画?運営、および両者をつなぐネットワークと信頼関係が不可欠である。ミノマチヤマーケットは、これからの人口減少社会におけるまちづくりの手法?あり方も感じさせる事例であった。(建築学科 高井宏之)