大学概要【2024年度実施分】「産官学」連携による地域活性化事業の企画?実装を通じたアントレプレナーシップの醸成

学部?部署共同

【経営学部?経済学部?社会連携センター】「産官学」連携による地域活性化事業の企画?実装を通じたアントレプレナーシップの醸成
実施責任者:田中 武憲

新型コロナのパンデミックを契機としてDX?GXが世界的に進む中,大学教育においても所属学部?学科における専門知識の修得に留まらず,幅広い価値観を持った人々と協働し,失敗を恐れず,新たな事業やサービスの創出を通じて社会課題を解決するアントレプレナーシップ教育が求められています。本事業では,名城大学のさまざまなパートナーとの「産官学」連携の取組を通じて,地域活性化にかかる事業やイベントの企画?実装を通じて地域貢献?社会課題の解決を目指すとともに,学生にアントレプレナーシップ教育の機会を広く提供します。

ACTIVITY

インフラツーリズムの観光資源化を目指して「閉伊川水門」と「小本川流木捕捉工」の視察を行いました

2024/10/28

 近年,ダムや橋梁?港湾などの巨大なインフラ設備や歴史的な施設などを新たな観光資源として地域活性化に活用する,「インフラツーリズム」が全国的に高い注目を集めています。
 今回,岩手県宮古土木センターの協力を得て,学生25名が10月11日に東日本大震災の教訓から岩手県宮古市街地を津波から守るために建設が進められている,国内最大級の津波対策水門「閉伊川水門」を視察しました。
 現在,閉伊川水門では岩手県内の大学の協力を得てARを活用した観光資源化に取り組んでおり,参加した本学の学生は開発中のソフトなどの体験を行い,その課題や改善点を検討するとともに,巨大な水門設備に上って,新たな観光資源としての活用方法について検討を行いました。
 続いて10月14日には,岩手県岩泉土木センターの協力を得て,台風などによる洪水発生時に周辺?下流域に甚大な被害をもたらす流木を補足する「流木捕捉工」を岩泉町で視察,全国でも珍しい同施設の特徴や開発プロセスの動画を現地で確認するとともに,増水時には川底となる「補足池」に入り,巨大な堤を間近で観測しました。
 今回のモニター体験および視察に参加した学生は,大学に戻ってそれぞれの施設について,インフラツーリズムとしての魅力の発掘?発信などに向けて検討を行います。

閉伊川水門の前でタブレットを使ってARのモニター体験を行う学生

水門設備に上って今後の建設計画の説明を受ける学生

担当者から小本川に建設された「流木捕捉工」の説明を受ける学生

洪水から街を守る「流木捕捉工」の巨大な堤

コンテンツツーリズム?インフラツーリズムの観光資源化を目指して岩手県大槌町(震災伝承ARアプリ?官民共同アニメ制作?海業)の視察を行いました

2024/11/06

 岩手県大槌町では、三陸DMOセンターの協力を得て、コンテンツツーリズムをテーマにした新たな観光資源化の視察を行いました。また、観光に限らず、海業?震災伝承ARアプリに関して広く大槌町の取組を視察することで、多様な取組が連携する可能性を探りました。
 
(1)コンテンツツーリズム
 近年、地域活性化の起爆剤として、コンテンツ?アニメ産業が注目されており、大槌町でもアニメ「大槌超神楽ダイハンマー」を官民共同で制作しています。三陸DMOセンターの担当者や大槌町役場の担当者から、アニメ制作に関連した施設やアニメに登場している観光地を紹介していただき、実際に現地を確認しながら意見交換を行いました。
 
(2)海業
 大槌町は、リアス式海岸の地形にも恵まれ、水産業が盛んな地域です。沿岸地域(漁村)の人々が、海や漁村に関する地域資源の価値や魅力を活用して所得機会の増大や雇用機会の確保等を図る取り組みである「海業」の振興モデル地区として、大槌町が選定されています。海の資源を観光にどのように活かすかに関して、大槌町役場の担当者から、海業に関してのご説明を伺い、関連施設の視察を行いました。
 
(3)震災伝承ARアプリ
 大槌町では、震災津波の記録と教訓を後世に伝え続けていくことを目的として、震災津波で被災した大槌町役場旧庁舎及び観光船はまゆりと旧民宿あかぶを、AR技術で再現した「大槌町震災伝承ARアプリ」を公開しています。このアプリでは、現在では見ることができない震災直後の建物の被災状況や押し寄せた津波の高さなどを確認することができ、アプリ開発の経緯、展開方法など大槌町役場の担当者から伺い、現地で実際にアプリを使用し意見交換を行いました。
 
 大槌町でのコンテンツツーリズム?海業?震災伝承ARアプリの視察後には、大槌町観光交流協会?新コンテンツビジネス戦略事業部会の関係者との意見交換を行いました。震災復興?地域活性化に向けての想いや実施している活動など実際に地域で活動している方々のお話を伺うことで、参加した学生達は、次世代ツーリズムの可能性を検討しました。
 今回の視察に参加した学生は、コンテンツツーリズムに関する企画提案書を年内に作成し、大槌町へ提出する予定です。

観光船が乗り上げた大槌町の民宿後地で震災伝承アプリを体験

震災関連本を多く揃える書店の店主から震災当時の話を聞く学生

大槌町を舞台にしたアニメの聖地訪問をする学生

大槌町が取り組む海業について理解を深める意見交換会の実施

岩泉町「小本川流木捕捉工」のジオラマを製作しています

2024/12/18

本プログラムでは,地域活性化事業の企画?実装を通じたアントレプレナーシップの醸成を目的として,ダムや橋梁などインフラ施設を新たな観光資源として活用する「インフラツーリズム」の観点から,10月に岩手県(宮古市?岩泉町)でフィールドワークを実施しました。

現地での視察と関係者への聞き取り調査をもとに,参加した学生は一般の観光に加えて教育機関による社会見学などへの活用も目指して,自分たちでインフラ施設のジオラマを作ることにしました。

ジオラマ製作では,社会連携センターが2022年3月にタワー75?五階に整備した起業活動拠点ものづくりスペース「M-STUDIO」にある3Dプリンターやレーザーカッター,UVプリンターなどを使用し,あわせて今年度から採用した西澤誌朗アドバイザー(元?トヨタ自動車)から指導を受け,まずは「小本川流木捕捉工」のジオラマのプロトタイプ完成を目指して活動に取り組んでいます。

前期に西澤アドバイザーからソフトウェアの基本操作を学ぶ経営学部の学生

流木捕捉工の3Dデータを製作中の学生

学生が設計?製作した成果物の一部(三陸鉄道を模した防災用ホイッスルと岩手県のマスコットキャラクター)

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