大学概要【2024年度実施分】ソーセージの学び舎 ~つくる責任?捨てる責任を考える~

農学部

ソーセージの学び舎 ~つくる責任?捨てる責任を考える~
実施責任者:林 利哉

事業系の可食性資源の有効活用は、昨今のSDGsの観点やフードロス問題を考える上でも極めて重要な要因の一つである。食肉を主原料としつつも、多様な副素材を練り合わせてつくる複合型食品であるソーセージ類は、その未利用資源のスカベンジャーとして有用である。本取組では、食品残渣の有効利用を念頭に、まずは研究室という小規模な研究活動で生まれる可食性資源を活用したソーセージを考案?試作することを通して、食品ロスに対する問題意識を喚起し、ひいては志望業界としての“食品離れ”の緩和にも寄与したいと考える。


ACTIVITY

実験?実習残渣を用いた加工品の試作①

2024/12/27

当学科の食品加工実習により派生した原料残渣を活用して、ボロニアタイプのソーセージを試作した。主原料は一般に利用価値が低いとされる軟脂やスジを多く含む端肉ではあるが、代替肉の原料としても注目されている分離大豆タンパク質を添加することで結着力、保水力の優れた練り製品を試作することができた。

配合の検討

手詰めボロニアタイプソーセージ

実験?実習残渣を用いた加工品の試作②

2024/12/27

ロースハム製造の際に発生したピックル液残渣である生姜や玉ねぎ等の調味材を利用して乾塩式ベーコンを試作した。業務用スーパー等で販売されている比較的安価な輸入凍結豚ばら肉に、所定濃度の塩漬剤(食塩、リン酸塩、亜硝酸塩、硝石)をすり込むと同時に、実習にて派生した生姜と玉ねぎ残渣をばら肉表面にまぶした。低温室で約一週間静置した後、乾燥?燻煙を施した。着色、発色も良好で、食感も含めた美味しさも市販ベーコンと同等かそれ以上の品質の製品をつくることができた。本試作品は食品業界にて活躍する卒業生からも高い評価を得ている。

燻煙後の乾塩式ベーコン

ベーコンの断面

実験?実習残渣を用いた加工品の試作③

2024/12/27

ソーセージやプレスハムのつなぎとして使用した鶏卵の未利用分を用いて燻製卵を試作した。一旦90℃以上の熱湯で数分ボイルした鶏卵の殻をむき、ステンレスの網籠にのせて70℃前後の煙温度でおよそ2時間程度燻煙を行った結果、きれいなスモークカラーで覆われた“くん玉”を作製することができた。

燻煙前の半熟ゆで卵ときれいに色づいた“くん玉”の試作品

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