大学概要【2024年度実施分】高校IRと教育DXの推進
附属高等学校
附属高校での学び(一斉授業や探究活動など)が、生徒の成長にどのような影響を与えているのかを多角的に分析するとともに、ICT機器を活用した授業研究を支援し、生徒の学びが深まる授業の普及を目指します。また、教育DXを推進し、教師の働き方改革とともに生徒の学び方改革(個別最適化?多様化)を促進します。
ACTIVITY
「ELSA Speak」(授業支援アプリ)を利用した英語?????????Ⅱの授業
2024/09/25
高等学校英語科の学習指導要領では五つの領域を総合的に扱うことを定めている。本校では「話すこと(発表)」については多くのコースで評価が確立してきたものの、「話すこと(やりとり)」については評価基準が確立していなかったり、授業時間の都合上評価をする時間がそもそもなかったりするのが現状である。そこで、本アプリを利用することにより、多くの生徒の発話を同時に評価できるようになり、五つの領域を現状より包括的に扱うことが可能になることが期待される。また、本アプリの主な特徴として、「発音矯正」、「AI英会話」、「スピーチ分析」がある。これらの機能を利用して、英語コミュニケーションⅡ授業中の音読などでは恥ずかしがって声を出さない生徒達も、即座のフィードバックがあり、周囲とも進捗状況が違うことからゲーム感覚で恥ずかしがらずに取り組むことができ、実施している間はそれぞれの生徒が休みなく発音?発話をして熱心に取り組む姿が見られた。
また、4月と7月にスピーチ分析のテストを実施し、それぞれの生徒がTOEFLを始めとする資格試験でどの程度のスコアが見込まれるのか計測した。写真③と写真④が同一生徒のスコアの変化の様子である。若干であるがスコアの向上がみられた。
以上のことから、本アプリの利用は、個別最適な学びの実現とともに、五つの領域を包括的に学習する補助的役割として期待されるため、今後も継続的に実施ししていく予定である。
「ELSA Speak」(授業支援アプリ)を利用した英語?????????Ⅱの授業
2025/01/22
英語教育においては一般的に「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能を育てることが掲げられてきたが、学習指導要領の改訂により従来の「読む?書く?聞く」に加えて「話すこと(発表)」「話すこと(やりとり)」を加えた五領域を扱うことが定められた。これまでスピーキング活動の評価の対象はスピーチやプレゼンテーションが主であったが、やりとりの向上のために今年度は本アプリを活用した授業を展開している。
12台のiPadにアプリをインストールし、授業時間内でアプリを利用して発音矯正とAI英会話を実施した。発話が必須なため、アプリを実施する生徒は隣の教室を使用し、残った生徒は長文読解などを進めた。昨今は共通テストにも各国の発音が用いられるほどワールドイングリッシュが地位を確立しつつあり「日本語訛りでもいい」というメッセージもしばしば聞かれる一方で、やはり海外研修などでは英語が通じないということも多々あり、教員が指摘しづらい発音の矯正や、会話を遮らずに生徒の発言の文法や語彙についてフィードバックするという難しさをアプリの活用で克服することができた。
生徒からの反応も概ね好意的で、ゲーム感覚でスコアが上がっていくことでモチベーションが上がったり、対人では恥ずかしいと感じる生徒でも新しい表現に挑戦してみたりと前向きな姿勢が見られ、もっと取り組む頻度や時間を増やしたいという声も聞かれた。
また、4月、7月、12月にスピーチ分析のテストを実施し、それぞれの生徒がTOEFLを始めとする資格試験でどの程度のスコアが見込まれるのか計測した。
Ai GROW導入2年目
2025/01/30
求められる資質?能力が変化?多様化し、これに合わせて保護者のニーズも変化する中、本校でも従来の学力に加えて、客観的なエビデンスを土台にした資質?能力の評価を導入?活用し、各種教育活動の教育効果の向上と生徒の成長の促進につなげていく必要があります。そこで、2023年度から一部クラスにおいて、IGS社が提供する生徒のコンピテンシーを定量化する評価ツール「Ai GROW」を導入しました。
2023年度は、6クラス(216名)の生徒を対象として「Ai GROW」を導入し、2024年度は、新たに5クラス(185名)の生徒を対象に加え、合計401名に導入しました。
Ai GROWの受検をすることで、普段可視化することが難しい、コンピテンシーを数値として表すことができ、クラス内の各コンピテンシースコアを箱ひげ図として確認することができます(写真①)。
写真②は、2023年8月のスコア(赤?左側)と2024年9月(青?右側)のスコアを同一クラスにおいて比較した箱ひげ図です。この2つの箱ひげ図は、「課題設定」と「決断力」を数値化し、クラスの分布を表しています。2つのコンピテンシーともに、中央値の上昇と、クラス全体のスコアが上昇していることが見て取れます。また、写真②では、一部の箱ひげ図を紹介しましたが、他のコンピテンシースコアにおいても中央値の上昇が確認されました。
2年間継続して実施しているクラスにおいては、写真②のようにコンピテンシースコアの上昇が見られることが多く、本校の教育活動が生徒の成長の促進につながり、生徒の資質?能力が向上したと考えることができます。
今後も、引き続き受検を継続していき、本校の教育活動が生徒の資質?能力の向上にどのような影響を与えるのかを調査するとともに、より効果的な教育活動の実施を目指していきたいと思います。