学部?大学院学部長メッセージ
MESSAGE
タイトル:この国の落日を楽しむ
この国では、女性の社会的地位は一向に上がる気配がありません。少子化は2025年までに手を打たなければ取り返しがつかなくなります。子どもの7人に1人は「貧困」です。GDPはドイツに抜かれて世界第4位に落ちました。やがては先進国中の最貧国になるかもしれません。政治と金の問題については解決のきざしが見えません。
30年間、政界も財界も、この国の落日をなすすべなく放置してきました。
しかし、貧しい人々、しいたげられた人々にとっての不謹慎を承知で断言しますが、私たちが楽しむべきはこの落日なのです。落日の中に楽しみがひそんでいるのです。私事で恐縮ですが、私のささやかな楽しみは、私が接する人々の毛穴という毛穴に「文化と芸術」を染み込ませるために蟷螂の斧を振るい続けることです。「文化と芸術」は人々を物質的に(精神的ではなく)豊かにするからです。
そして私の「文化と芸術」に代入すべきあなたにとっての「何か」を、あなたとともに探すことがわれわれの使命だと考えます。
わが学部は「外国語」学部ですから、外国語とりわけ英語の修得は必要条件です。しかし必要条件であってテーゼ(命題)ではありません。強力な教員スタッフの顔ぶれから瞭然と知れるように、わが学部では英語以外の様々な学問領域を提供しています。学部の中に小さな大学があるというイメージです。外国語学部が提供する様々な学問領域の中から、あなたが「何か」を見いだし、英語を駆使しつつ学び楽しむことができるよう、怠りなく改革を進めていきたいと思います。
外国語学部長 岩井 眞實