理工学部/数学科学科長からのメッセージ
MESSAGE
数学は好き嫌いが大きく分かれる学問です.
数学が好きな人にとって,それは妖しく美しい神秘の源泉であり,
嫌いな人にとっては無意味な苦行に過ぎないと感じるでしょう.
その印象がどうであれ,数学が重視されているのは
数学が「考えることそのもの」であるからです.
数学とは何かを一言で表すとしたら,確実な思考を一定の形式で
まとめたものということになるでしょう.
従って,数学は人類の文明にぴったりと貼り付きながら
発展を遂げてきました.数学の好き嫌いや要不要をいくら論じたところで,
「考えること」無しに人間らしく生きていくことは出来ません.
そもそも大学というのは職業訓練を提供する場ではなく,
現代文明の担い手としての,或いは次の時代の開拓者としての
素養を養うことを目的としています.その観点からすると,
大学で数学を学ぶことは,大学教育の根源的な価値に触れる
経験となるでしょう.
大学進学に際し,何を専門とすべきか悩んでいる人も少なくないはずです.
考えることが好きな人,この世界の探求に興味がある人にとっては,
大学で数学を学ぶことも検討に値する選択肢です.
名城大学の数学科は,名城大学がその前身の名古屋専門学校であった頃から
設置されていた伝統ある学科で,著名な数学者も数多く在籍していました.
現在は19名の専任教員で構成され,第一線で活躍する研究者が教育を担っています.
教員の専門分野は代数学,幾何学,解析学,数理情報,計算機科学の
五分野をカバーしています.これは日本の私立大学の数学科としては
かなり大きな規模の組織であり,どのようなテーマを学びたい人にも対応できる
体制が整っています.
また,専門性を深めたい人は大学院に進学して修士や
博士の学位を取得することも可能です.名城大学の大学院に限らず,
国立大学大学院へも多数の進学実績があります.
学科長 前野 俊昭