大学概要【2021年度実施分】食料生産を教材とした体験型教育プログラム.-ブドウの周年栽培管理,ワイン醸造そして販売-

農学部

食料生産を教材とした体験型教育プログラム.-ブドウの周年栽培管理,ワイン醸造そして販売-
実施責任者:中尾 義則

ブドウ栽培から収穫そしてワイン醸造から販売を通して,食料生産と流通を体系的に学び,食の安全安心に携わることの重要性と責任を自ら学ぶことを目的とする.具体的には農学部附属農場のブドウの施設や栽培管理の中から生産を学び,収穫したブドウを用いたワインの品質の評価を行い,製造管理と商品化を目指している.また,外部のブドウ産地やワイナリー見学,外部講師講演の聴講などから理解を深めてゆく。

ACTIVITY

ワインのビン詰め

2021/09/08

2020年に収穫し,醸造をしたワインのビン詰めを4月29日に行った.醸造は小牧市内のワイナリーに委託した.ビン詰め前に色,香り,味わいなどを点検した.2020年度はブドウ果汁の品質調査項目を増やし,その分析結果から発酵補助剤などを添加した醸造を依頼した.2019年度までと比べ,香りが良くなったと感じた.

ビン詰め前の説明.

ビンの洗浄.

ビン詰め(写真奥)とコルク打栓(写真手前)

接ぎ木苗の鉢上げと苗の管理

2021/09/10

2019年に接ぎ木し,成長した接ぎ木苗を30センチ鉢に植え替えた.これは学生が害虫抵抗性台木にワイン用品種を接ぎ木した苗である.また,その他の苗木は芽かき作業を行い,今年の成長に備えた.

鉢上げしたブドウ接ぎ木苗.

芽かきの様子.

防草シートの設置

2021/09/15

ブドウ園の拡大予定地の周りの斜面に,防草シートを設置した.
その広さは約350 ㎡で,10日間でのべ約70人で作業し,完成は6月18日となった.シート押さえピンを3種類用意し,地面の状態に応じてピンを選択しながらシートを固定した.

5 m斜面のシートの設置.

2 m斜面のシートの設置.ピンの打ち込み後に,さらにテープで覆いをして雑草の発生を抑制する.

年間の管理(農薬散布と防鳥網の設置)

2021/09/16

今年は農薬散布を学生達もしました.ゴーグル,マスク,手袋などで防護して,殺虫殺菌剤を噴霧しました.
ブドウの着色が始まり.鳥が集まり始めたので,防鳥網でブドウの垣根に覆いをしました.同時に台風接近の予報もあったので,理工学部研究室設計の雨よけビニールは巻き上げました.

農薬散布の様子.50 Lタンクを付けたエンジン式噴霧器からホースを引っ張って,噴霧しました.今年は長雨で病気が多いです.

防鳥網設置の様子.今年は 45 mm目と20 mm目の二重掛けです.スズメはこの網目の大きさでも入ってきます.

防鳥網設置の様子.18 m四方の網を2枚で全体を覆うことができました.

ビニールの巻き上げ後.右半分だけ巻き上げる方式です.雨よけは病気の防除に効果があります.

ブドウの収穫と調整

2021/09/23

ブドウの収穫を行いました.今年は果実品質を上げるため果房数を減らしましたが,天候不良で思ったほど品質の向上がなかったことが残念です.収穫と果粒の調整を行った後に,醸造まで冷蔵保存です.

ワイン用ブドウ品種(欧州系)の収穫.

ワイン用ブドウ品種(欧米雑種)の収穫.収量はわずかですが,品質は良いです.

果房調整の様子.ワインに嫌な香りがつかないように,傷んだ果実を一つ一つ除去します.

ワインの仕込み

2021/10/20

収穫調整の終わったブドウは小牧ワイナリーで醸造します.今年の天候不順で,多くの園の収量が少なかったと聞きました.
ブドウを破砕し,ワインに異臭がつかないように混入した果梗を丁寧に取り除いた後,ステンレスタンク内で醸し発酵を行います.

破砕されたブドウの除梗作業.

破砕したブドウを貯蔵.

ブドウの醸造現場の見学(発酵タンクの中).

ワインの圧搾

2021/10/25

醸し発酵がほぼ終了したと連絡を受け,ブドウ果汁(ワイン)から果皮と種子を取り除きました.醸し発酵とは果皮や種子の成分を果汁中に移すための行程です.赤くなった果汁はこの後,さらに貯留し,ワインへと変化していきます.

醸し発酵後のタンクの中.

小さな圧搾機で果汁を集める.

ブドウの品種により色が異なる.圧搾した果汁はさらに発酵させるため,貯留する.

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