大学概要【2017年度実施分】GAP教育導入による農産物生産工程におけるリスク評価のできる人材の育成
農学部
GAPとはGood Agricultural Practiceの略で、「適正農業規範」や「農業生産工程管理」などと呼ばれています。欧米を中心とした世界の流通の現場では、GAP認証された農産物が主流となっており、2020年の東京オリンピックでも扱う食材はGAP認証されたものに限ることが決まりました。日本でも、近年、食品や農作物の安全?安心に対する関心が高まっており、レトルトや冷凍食品のみならずその原料となる農業生産現場でも、工程管理に基づく品質保証の考えが求められ始めています。本プロジェクトは、学生自身が安全?安心な食の提供を行うために妨げとなる問題を解決する方法を議論し、適切な工程管理手法を見つけ出す体験型ならびに課題解決型プログラムです。
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ACTIVITY
活動報告1(6/6更新)
2017/06/06
2017年6月3日に公開講座 食と農の安全を考える シリーズ第1回「食の安全と安心に関わる攻めの農業?守りの農業」を開催しました。
講演1.「アメーラのブランドつくりとGAP」 稲吉 正博 株式会社 サンファーマーズ 代表取締役
講演2.「アヲハタ株式会社の原料調達に対する取り組み」 清水 崇行 アヲハタ株式会社 品質保証本部 原料品質管理部
今回のテーマは「攻めの農業?守りの農業」ということで,厳しい品質管理をして生産した農産物をブランドとして確立し,展開する「攻め」と,ブランドを維持するために安心?安全な農産物を管理?調達する「守り」の農業を実践されているお話をしていただきました.どちらも身近な農産物生産の話題で興味深い話が多く、活発な質疑応答が行われました。
活動報告2(9/14更新)
2017/09/14
2017年9月4~7日にかけて集中講義(生物資源学特別講義Ⅲ)が行われました。昨年度のアンケート調査をもとにプログラム編成を大きく変更し、グループワークの時間を1.5倍以上に増やしました。
9月4日は座学を中心に、GAPの基礎知識の習得を目的として①GAPとは何か、②なぜGAPが必要か、③日本のGAPと世界のGAP、④農産物のブランド化や地理的表示制度の解説が行われました。
農学部とはいえ、生産現場や流通現場の実情に精通している学生は少なく、現状の解説に驚きの声があがる場面もありました。
9月5~7日は班ごとに分かれてグループワークが行われました。農作業現場や集果?選果場あるいは包装現場で起こりうるリスクを検討し、指導員として改善指導する事項を洗い出しました。
実際の現場写真や動画が多く紹介され、スーパーなどで陳列されている生鮮野菜が収穫から商品棚までにどのように取り扱われているのかを理解するよい機会となりました。
本プロジェクト協力機関であるアジアGAP総合研究所およびJGAP協会より講師を招き、実際の指導現場を多数紹介していただきました。本講義で得られた知識はこれからの専門実習?講義はもちろんのこと、就職活動などこれからの学生?社会生活に大いに役立つことと期待しています。
活動報告3(10/20更新)
2017/10/20
2017年10月18日にJGAP指導員合格書の授与が行われました。
本プロジェクトでは生物資源学科の専門教育科目を通じて、GAP (Good Agricultural Practice)(適正農業規範)の理解を深めています。本年度は「生物資源学特別講義Ⅲ」を受講した生物資源学科2年生が(財)日本GAP協会認定のJGAP指導員試験を受験し、80名が合格して、学科長よりJGAP指導員資格を授与されました。
来たる東京オリンピックでは提供される食材はすべてGAPに対応した農場で生産された者とすることが決定しています。これに呼応するように大手流通業界でもGAPに対応した農産物を積極的に受け入れるように変化しつつあります。本プロジェクトで、農作物や加工食品の原料調達をめぐる世界情勢、および食の安心?安全を確保のために留意すべき管理点や知識を学ぶことができました。この知識は農学人として今後あらゆる場面で役立つことが期待されます。
グループワークに関するアンケート結果(12/15更新)
2017/12/15
本プロジェクトの核である「生物資源学特別講義Ⅲ」のグループワーク(GW)について、受講後にアンケート調査を行いました。