大学概要【2018年度実施分】GAP教育導入による農産物生産工程におけるリスク評価のできる人材の育成

農学部

GAP教育導入による農産物生産工程におけるリスク評価のできる人材の育成
実施責任者:津呂 正人

GAPとはGood Agricultural Practiceの略で、「適正農業規範」や「農業生産工程管理」などと呼ばれています。欧米を中心とした世界の流通の現場では、GAP認証された農産物が主流となっており、2020年の東京オリンピックでも扱う食材はGAP認証されたものに限ることが決まりました。日本でも、近年、食品や農作物の安全?安心に対する関心が高まっており、レトルトや冷凍食品のみならずその原料となる農業生産現場でも、工程管理に基づく品質保証の考えが求められ始めています。本プロジェクトは、学生自身が安全?安心な食の提供を行うために妨げとなる問題を解決する方法を議論し、適切な工程管理手法を見つけ出す体験型ならびに課題解決型プログラムです。

ACTIVITY

活動報告1

2018/06/13

2018年6月9日(土)に公開講座「食と農の安全を考える」第3回が行われました.

今回のテーマは「農」の安全ってなに?

農業を取り巻く安全について,普段は農作物の安全性について議論されることが多い話題ですが,今回は農業という労働に対する安全について,行政と消費者(特にママ)の視点から講演していただきました.

講演1.生産者に求める安全な「農」

農林水産省 東海農政局 地方参事官 田村 道宏 氏

今農業で取得が拡大しているGAP (Good Agricultural Practice)について,その必要性と農業という労働に及ぼす波及効果について論じていただきました.

講演2.ママだから気になる安全な「農」

特定非営利活動法人 マザーズライフサポーター 理事長 伊藤 理恵 氏

NPO法人として子育て中のママが農業にたずさわる経験をする中で,ママが求めている本当の安全な「農」とは何なのかを講演いただきました.

お二人の講演後質疑応答が行われましたが,今年は若い方の積極的な質疑が多く行われ,関心の高さがうかがわれました.

質疑応答の様子

活動報告2

2018/09/10

2018年9月3~6日に集中講義(生物資源学特別講義Ⅲ)が行われました。9月3日は座学を中心にGAPの概論と現場での導入方法および運用上の利点についての解説が行われ、5、6日はグループワークを中心にGAP指導する際の要点や管理点を習得し、グループが農業経営すると想定した際の問題点の洗い出しが行われました。
農学部といえども実際の生産現場がどのように運営されているのか実態を知る学生は少なく、現場の具体的な写真や動画が紹介されると驚きをもって受け止める学生も多く見られ、農産物の安全管理について理解する良い機会となりました。

座学(講義の様子)1

座学(講義の様子)2

各班が「しあわせ農園」を経営したときの運営上の管理点を話し合っています。

グループワークの様子1

グループワークの様子2

活動報告3

2018/11/12

2018年10月22日と29日にJGAP指導員合格書の授与が行われました。
本プロジェクトでは生物資源学科の専門教育科目を通じて、GAP (Good Agricultural Practice)(適正農業規範)の理解を深めています。本年度は「生物資源学特別講義Ⅲ」を受講した生物資源学科2年生(と3年生の一部)が(財)日本GAP協会認定のJGAP指導員試験を受験し、113名が合格して、学科長よりJGAP指導員資格を授与されました。

学科長より合格書とJGAP指導員書を授与されています

合格者全員で記念撮影

来たる東京オリンピックでは提供される食材はすべてGAPに対応した農場で生産されたものとすることが決定しています。2018年10月31日にアジアGAP(本講義で対応)がGFSIの承認を受けました。これによって大手流通業界はGAPに対応した農産物の受け入れ急速加速すると思われます。本プロジェクトで、農作物や加工食品の原料調達をめぐる世界情勢、および食の安心?安全を確保のために留意すべき管理点や知識を学ぶことができました。この知識は農学人として今後あらゆる場面で役立つことが期待されます。

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