大学概要【2017年度実施分】企業連携?教員のつながりを活用した短期派遣プログラム

理工学部

企業連携?教員のつながりを活用した短期派遣プログラム
実施責任者:上山 智

 学生の企業実習はインターン等のシステムが広く活用されているが、学生の多くは受動的な実習体験になることが多く社会人基礎力を養成するという観点から見ると不十分であることが多い。そこで、本学科では、2016年度からMS-26の事業として民間企業との共同研究を発展させる形で、学生の短期派遣プログラムを実施し、学生が能動的に学ぶ機会を整えてきた。本取り組みでは、これまで各研究室レベルで構築してきたリソースを活用し、それらの企業へ学生を派遣し様々な取り組みを実施させる。そして、主体を大学側が持つことによって、学生が能動的に取り組むことが可能になり、それによって学生の社会人基礎力を養うことを目的とする。

ACTIVITY

(株)協同インターナショナルへの派遣

2017/05/01

■派遣先:(株)協同インターナショナル
■実施日:2017年4月26?27日
■実施内容:
サブミクロンオーダーのパターン加工が可能なナノインプリント装置の実機デモンストレーションの為に先方の研究施設を訪問した。
<1日目>
当研究室の意向及び、要求仕様について先方装置仕様との擦り合わせの為のミーティングを実施。その後、実機にて当研究室持込のSiマスターモールド(金型)からレプリカモールド(コピー金型)を作製した。
性能テストとして作製したレプリカモールドから先方のレジスト付きSiにパターン転写を実施。レジスト厚を調整して残渣除去に成功した。(断面SEMによる評価)
<2日目>
1日目の結果を受けて、当研究室で用意したGaN結晶付のウエハを用いた加工を実施した。レジストの塗布厚、工程の再現性等に注意を払いつつ、持ち込んだすべてのサンプルの加工が無事終了した。
後日、研究室にて後工程のテストを実施予定である。更にその結果をフィードバックし、工程のブラッシュアップも併せて実施予定であり、これらの結果を用いて最適化を進める予定である。

写真①:協同インターナショナル社の研究所が入居しているKBIC館

写真②:研究所内の実験施設の様子

写真③:今回のデモで使用したナノインプリント装置の外観

写真④:作製されたレプリカモールド

図①:ナノインプリント工程の概要

写真⑤:ナノインプリント処理後のSi基板(テスト用ウエハ)外観チェック

写真⑥:ナノインプリント処理後の断面SEM像

■写真①:
神奈川県川崎市内の様々な企業が立ち並ぶ区画の1角に協同インターナショナル社の研究所が入居しているKBIC館がある。Kawasaki Buisiness innovation centerの略で、川崎市が中小企業の支援のために建てた共同研究施設とのこと。

■写真②:
サブミクロンオーダーの加工に対して、空気中の埃は致命的な欠陥の発生原因となり得る為、加工装置は全てクラス1000で管理されたクリーンルームの中で運用されている。
加工装置以外にも、Dektakやコンフォーカル顕微鏡、SEMといった微小な段差やパターンを計測する装置が揃っていた。

■写真③:
筐体は非常に小さく卓上型で、フットプリント含めて1m2も要らないくらいとのこと。
このことは当該装置が手動機であるという点以外にも従来技術では必須であった真空排気設備や加圧機構が不要であるという要素の寄与が大きい。

■写真④:
Siマスターモールドから複製されたレプリカモールドの外観。
PDMS(ポリジメチルシロキ酸)を原料とし、透過性は高く軟らかいゴムの様な印象を受けた。また、厚さも数mm程度あり、従来技術のレプリカモールドに用いられていたCOPフィルム(厚さ:数十um)と比べて取り扱いは容易である。
他方、内在する油分が時間の経過とともに析出し、パターンを変形させてしまうという課題もあるとのことで、特有の対策が必要であるということもわかった。

■図①:
PDMSを用いSiマスターモールドからレプリカモールドを作製する。
レプリカモールドの作製法は企業秘密ということで、見ることができなかった。
基板にレジストをスピンコートにより塗布する。
レジストを塗布した基板とレプリカモールドを密着させ、パターンの転写を行い、UVを照射することによりレジストを硬化させてパターニングを行う。

■写真⑤:
ナノインプリント処理により、当該基板は微細な凹凸加工が表面に施されるため、目視で確認した際、CDの裏面にみられるような光の干渉現象が確認できる。
もし、大きく不具合が発生していた場合、干渉の様子が通常と異なり、目視でも十分評価が可能である。
今回は目視検査と下記に示す電子顕微鏡による断面観察で工程の是非を判断した。

■写真⑥:
上記Si基板を分割し断面の電子顕微鏡像を観察。
工程の成否を決める重要な要件の一つである開口部が残渣なく露出しているかを確認。
塗布するレジストの量に大きく依存する要件ではあるが、調整の結果無事露出を確認。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
今回の協同インターナショナルにおけるナノインプリントのデモンストレーションでは衝撃を受けました。
私の研究で使用しているインプリント装置よりも簡単な構造をしているにも関わらず、インプリントにかかる時間がとても短かったからです。
今後、本基板の加工を行いインプリント精度の評価を行います。また、今後装置に関しての詳細な打ち合わせを予定しており、それらの結果を基に修士論文や博士論文作成に必要なデータの蓄積を進めていきたいと考えています。

(株)リガクへの派遣

2017/06/20

■派遣先:㈱リガク
■実施日:2017年6月13?14日
■実施内容:
LEDの作製において必要不可欠な評価方法であるX線回折法の理解を深めるため、リガク主催のX線回折セミナー~薄膜X線回折コース~ に参加しました。1日目は主にX線回折の基礎、薄膜X線回折測定(Out-of-plane、In-plane、ロッキングカーブ測定)、X線反射率測定、逆格子マッピング測定について講義形式で学びました。2日目の実習では、実際にX線回折装置(リガク SmartLab)を用いて1日目の講義で学んだことを交えながら、装置の動き方、プログラムの意味などを学びました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
今回のセミナーはX線を使用する初心者を対象に開かれました。私は学部4年生の時からX線回折装置を使っていましたが、未だ測定に関して曖昧な点が多くありました。使用している装置が同じこともあり、装置機構、単位の意味等細部まで理解を深めることが出来ました。また、特に不明瞭であった逆格子マップ測定の基礎から学べたので、今後GaNの結晶品質評価の1つとして取り入れたいと考えています。また機会があれば参加したいですし、これからX線装置を使用する人および使用している人にも是非参加してほしいと思います。

1日目の講義の様子です。会場は満員であり、学生や企業の方など様々な研究グループからの参加が見受けられました。講師の小林先生の説明はとてもわかりやすく、今まで曖昧に理解していた箇所が確実なものとなりました。

会場の前に写真を撮りました。同研究室は東大内に施設を持っており、本セミナーは東大内にある同研究室で行われました。大変良い経験になりました。

9号館の前と実習場所の写真です。本学のLEDセンターと同装置のリガク SmartLabを用い、装置の動き方プログラムなどを確認しながら実習を行いました。分析装置の多さに驚愕し、日本の最先端の技術が集約していることも見られ刺激を受けました。

研究室に設置されたX線回折装置です。本講習会では講義に加え実習を行いました。

(株)リガクへの派遣

2017/06/21

■派遣先:㈱リガク
■実施日:2017年6月13日
■実施内容:
リガク㈱が主催したX線解析セミナーの薄膜X線回析コースを受講してきました。午前は、X線回析と薄膜X線回析の基礎についての講義を受けました。詳しい内容としては、X線回析の原理、基本的な測定?評価方法を学びました。また、午後には、X線反射率測定とX線回析を用いたエピタキシャル膜の評価についての講義を受けました。詳しい内容といては、X線反射率や逆格子マップ測定や高分解能ロッキングカーブ測定の測定?評価方法について学びました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:

  • 私の卒業研究を進める上で必要不可欠なX線解析による評価法について学びました。初心者向きの講義内容でしたが後半の内容になるにつれて理解するのが難しくなってきました。初心者の段階にも至っていない状況でした。本講義のを復習を行い、発展させることで自分の力にしていきたいと考えています。
  • 現在の私は研究を始めたばかりで、たくさんのことを学びながら研究の流れを構築しています。今回のセミナーでは、結晶成長の研究をやっていくうえで重要な評価方法であるX線解析について学びことができました。これにより今後の研究においてよりさまざまな評価や考え方を得ることができると思います。今回のセミナーの内容をしっかり理解して活用していきたいと考えています。
  • 今回のセミナーを聞いて、X線解析を用いることで測定方法を変えることによって薄膜に関する様々な情報を評価することができるということを学びました。研究を進めていく上でX線解析によって得られた結果を理解できるようにすることは必須であるということを再確認できたので、今回学んだことを今後にも生かしていきたいです。
  • 今回のセミナーではX線を用いた薄膜の評価法について学びました。実際に今後の研究でも使う予定があるので非常に勉強になりました。
  • 3年生の時に受講していたエレクトロニクス材料分析評価法で初めて学んだX線装置でしたが、そこで習得した知識をより深めることができ、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。今後実験等で使用する機会があれば積極的に使用してみたいと思います。
  • 本セミナーでは今後の卒業研究で使用する予定のX線解析について学びました。今回得た知見をもとに作成したサンプルの結晶性等の評価をより正確に行えるようになると考えております。
  • 今回のセミナーでは、X線回折装置による薄膜評価の基礎を学びました。今後の研究で、堆積させた薄膜の膜厚等X線回折装置を用いて測定を行う予定があるためセミナーで測定原理が学ぶことができてよかったです。実際に装置を用いて測定を行う際に今回学んだことを意識していきたいと考えています。
  • 今回、X線回析セミナーの薄膜X線回折コースを受講しました。私は今後X線回析装置を使用していくのでこのセミナーでたくさんのことを学びたいと考えました。実際の講義ではX線回析の基本から応用まで学べたので有意義な時間となりました。
  • X線の基礎講座という事でX線回折の原理説明から始まり、後にリガク社製X線装置の主だった測定モードに関する概略的な説明と、測定例を示してもらった。中でもX線反射を利用した薄膜の膜厚や密度評価に関して測定精度を高めるための要件や、測定手法に関する諸注意に関して参考になる話が聞けた。デバイスの製造プロセス上で必要な薄膜の成膜レート管理に応用するべくレシピの構築を実施していく予定である。
  • 本セミナーでは、主にXRDの原理について学びました。今後の実験でも使用していくと思うので、本セミナーで学んだことを生かしたいと思います。
  • リガクが開催するXRDのセミナーに参加させて頂き、自分のXRDに対する勉強量の不足を感じた。使用法や解析法だけでなく、原理まで勉強することによって、XRDの使用の幅はさらに広がると思う。是非、今後の研究生活につながるように今回勉強したことを復習したい。

講義が行われる情報基盤センターに到着した時の様子です。生憎の雨でしたが無事到着することができました。どんな装置があるか興味がわきました。また、もうすぐX線の講義が聞けるということでみんなの気分が高まってきました。

これから、X線装置のセミナーが始まります。どんなことが聞けるのが楽しみな様子です。周りは学生よりも社会人の方の方が多く、また意外にも女性がたくさんいました。

材料研究を推進する研究グループの研究員?学生の方々と最先端の評価法を学ぶことができ、卒業研究を推進するうえで大きな刺激を受けました。本セミナーを通して学んだ多様な評価とそのアプローチを積極的に私の研究活動に生かしていきたい。

デクセリアルズ(株)/ソニーマニュファクチャリング(株)/東北大学松岡研究室への派遣

2017/09/05

■派遣先:デクセリアルズ(株)/ソニーマニュファクチャリング(株)/東北大学松岡研究室
■実施日:2017年8月30.31日
■実施内容:
?デクセリアルズ株式会社では、反射防止フィルムを作るための微細加工技術や、独自の結晶成長装置を見学させて頂きました。また結晶成長の技術について学生と研究所の職員の方々と話し合いを行うことができました。
?東北大学の松岡研究室では、結晶成長装置MOCVPや加工装置、様々な解析装置を見学させて頂きました。また、最新の研究について説明を聞くことができました。
?ソニーマニュファクチャリング(株)では、半導体レーザーの製造ラインを見学し、ソニー(株)から出向している研究所の職員の方々に研究内容を説明して頂き、レーザーや半導体の技術について話し合いました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣では、半導体の結晶成長技術や半導体レーザーを作るための装置や製造ラインを見学させて頂いたり、これらの技術の研究について説明を聞いていく内に、よりいっそう半導体分野について興味を持ち、これから勉強していかなければならないことが沢山あると気づかされました。今後、半導体分野の勉強をしていき、来年からの研究室配属までにできる限り知識を増やしていくことで、卒業研究を高度なものに仕上げれるようにしたいと思いました。

デクセリアルズ株式会社の入口で撮影

東北大学金属材料研究室前で撮影

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社の正門で撮影

東邦チタニウム(株)への派遣

2017/09/13

■派遣先:東邦チタニウム(株)
■実施日:2017年8月24日
■実施内容:
『最先端金属であるチタンの製造現場を見学し、チタン製錬、インゴット溶解、チタン製品加工について学ぶ。また、チタン溶接も実際に体験し、チタンの実感とチタン工業の可能性についての認識を高める。』
 チタン事業で製造している金属チタンには、「スポンジチタン」と、それを更に溶解?鋳造した「チタンインゴット(金属チタンの塊)」があります。東邦チタニウムのスポンジチタンは原料鉱石(主成分は酸化チタン)を塩素と反応させ生成した四塩化チタンを、金属マグネシウムで還元する「クロール法」を基に、独自の技術を加えた方法で製造しています。スポンジチタン中に含まれている金属マグネシウム及び塩化マグネシウムを分離除去するために、「真空分離法」を採用していることが大きな特長の一つで、これによって高品質のスポンジチタンを製造しています。主に、航空機材料用として輸出されていますが、品質には長年の実績があり、世界のユーザーから高い評価を得ています。東邦チタニウムはこれまでの生産技術革新により、最大13tのスポンジ塊が得られています。
 実習として東邦チタニウムのグループ会社であるトーホーテックで溶接体験をしました。チタンは酸素との親和性が強く、溶接時は酸素を遮断するために不活性ガスでシールドをする必要があります。この作業が難しいですがシールド治具などを工夫し、しっかりとした養生を行うことでチタン溶接が可能となります。トーホーテックの加工技術、溶接技術、そして陽極酸化による繊細な発色技術などには定評があり、各方面からオーダーが寄せられ、次々と画期的な成果を生んでいます。
 なお、チタン事業で製造している「チタンインゴット(金属チタンの塊)」は様々な製品に形を変えます。用途としては航空宇宙産業では航空機、エンジン部材、宇宙ロケット、医療ではインプラント、人工骨、スポーツではゴルフクラブやアウトドア商品、日用品では眼鏡、カメラ、腕時計などがあります。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
 本派遣では、金属チタンがどのように製造されているのかを実際に自分の目で確かめながら理解を深めることができました。チタンを効率よく加工する方法を知りたかったので、今回の体験で更に理解が深まりこれからの研究に役立つと感じました。今は、生体材料に関連するところのチタン合金を学んでいますが、金属チタンの製造や様々な製品のための加工についても興味を持って、より幅広い分野に生かせるように日々学んでいきたいと考えるようになりました。とても貴重な体験ができたと感じております。

東邦チタニウムのスポンジチタン。

東邦チタニウムのグループ会社であるトーホーテックで溶接体験をしました。

チタンの加工品について説明を受けている様子。

JR東海への派遣

2017/09/15

■派遣先:JR東海
■実施日:2017年8月22日
■実施内容:
JR東海では、山梨リニア実験線にて超電導リニアの走行試験を実施しておりますが、このたび、走行試験スケジュールの一部を活用して、超電導リニアの高速走行をご体験いただける「体験乗車」を実施いたします。(引用:http://linear.jr-central.co.jp/experience/)
?写真①:体験乗車が行われるリニアモーターカー
 新幹線や在来線の搭乗口とは異なり、航空機ての搭乗口とほぼ同じ構造をしていた。
?写真②:リニア実験線のトンネル
 リニア実験線は全長42.8kmありそのうちトンネルになっている区間は約35.1kmもある。
?写真③:実験に使用されているリニアモーターカー
 実験に使用されているリニアモーターカーは4両編成である。先頭車両は空力を考慮した鼻の長いデザイン。超電導コイルは車両本体にのみついており両側面にある白色のガイドウェイと呼ばれる装置には浮上?案内コイルが、さらにその裏には推進コイルという二種類のコイルと一種類の超電導コイルによって動いている。
?写真④:新幹線の巡航速度より約200km/h早い500km/hでの走行
 初めはタイヤで走行しある速度に達したら浮上走行に移行する。低速時では多少ゆれは大きいが速度が増すにつれて安定性も増していき揺れ自体は少なくなった。が音が大きかった。新幹線はレールとの接触による音が目立つがリニアは風を切って走る音が目立った。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
本派遣を通して日本の技術力の高さを改めて実感した。地上で500km/hというとてつもない速度で走行していながら安定して運行しておりこれが未来技術であり、我々日本国民に大きな恩恵が与えられるもだと確信した。

写真①:体験乗車が行われるリニアモーターカー

写真②:リニア実験線のトンネル

写真③:実験に使用されているリニアモーターカー

写真④:新幹線の巡航速度より約200km/h早い500km/hでの走行

リガクへの派遣

2017/11/21

■派遣先:リガク
■実施日:2017年11月15日、16日
■実施内容:
X線解析、特に薄膜評価について勉強するセミナーです。
初日は、X線解析の各種手法やそれによって評価できる項目について講義が
開かれます。二日目は、実際にX線解析装置を用いてサンプルを評価しながら実践的な内容について学習できる実習講座が開かれます。

?写真①:会場である東京大学の安田講堂
 国内最高峰の大学ということもあり、平日にもかかわらず多くの国内外の観光客が訪れていました。
 また、敷地内を散策していると、見たことのない独特なデザインの校舎や建物がたくさん見られました。他では見られない風景のため、観光地としても注目されやすいのではないかと思います。
?写真②:初日の講義の会場となった情報基盤センター
 会場は社会人から学生まで様々な受講者の方で満席となっており、X線解析に関心を持つ方が多いことがうかがえました。
?写真③:2日目の実習講座の会場
 この一部屋には稼働しているものだけでも3台のXRDが配備されていました。産学連携室ということもあり、装置が充実していることが伺えました。
?写真④:実習講座で使用したX線回折装置
 現在、LEDセンターで私が使用しているものと同じ装置であったため、セミナーで学んだ内容を実際の測定に応用しやすく、大変役に立ちました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
 本派遣では、X線解析を行う上で必要となる基礎知識や測定方法などを学ぶことができました。X線回折は私たちが研究している半導体材料の評価技術として最も重要な技術であると同時に、逆格子や講義で習ったことを実践する場として極めて重要です。その一方で、講義だけでは学ぶことができないことや、実際の技術者から最先端な研究開発技術を様々な点で学ぶことができました。
 今後は、今回得た知識を活用し、より高い精度の評価ができるよう努力していき、卒業研究や大学院に進学後の研究活動に活かしていきたいと考えています。

写真①:会場である東京大学の安田講堂

写真②:初日の講義の会場となった情報基盤センター

写真③:2日目の実習講座の会場

写真④:実習講座で使用したX線回折装置

ソニー(株)厚木テクノロジーセンターへの派遣

2018/03/16

■派遣先:ソニー(株)厚木テクノロジーセンター
■実施日:2018年3月12~13日
■実施内容:
本学にはない分解能の高い分光器にて、光ファイバー結合した半導体レーザのある静電流における波長-光出力特性を測定。半導体レーザ研究過程を見学。

■写真①:3/12、派遣先であるソニー(株)厚木テクノロジーセンターの正門近くで、撮影。実験場所にて、後日から使用する測定系の作製。

■写真②:3/13-3/14、440nmを出力する半導体レーザの静電流における波長-光出力特性を測定。(28mA、20℃)静電流の大きさを変え、同様に測定を行った。

写真①:ソニー(株)厚木テクノロジーセンターの正門

写真②:半導体レーザの静電流における波長-光出力特性を測定

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
半導体レーザの光学実験の基本を学んだ。今回、学んだ光ファイバー結合の基本をこれから行っていくであろうより複雑な光学実験に生かしていきたい。また、実験で得られたデータは半導体レーザの発光過程を理解するための重要なものである。しかし、このままでは有用性は低いため、解析プログラムを学び、今回のデータやこれから得るデータの書き換えを行って、半導体レーザの発光過程を深く理解していく。それを踏まえて、先輩方が行っているパルス電流特性他を理解し、実験に参加していきたい。

東芝メモリ(株)での企業経験

2018/04/18

■経験先:東芝メモリ(株)四日市工場
第三生産技術部 プロセス技術第一担当(以下P技一)に 2名
第三生産技術部 プロセス技術第三担当(以下P技三)に 2名
第三生産技術部 プロセス技術第四担当(以下P技四)に 1名
■実施日:2018年2月1日~3月31日

■実施内容:

  • P技一
    ウェハ処理条件を確立した後、装置の稼働率(設備が稼働した時間/操業時間)をモニターし、安定生産できているかチェックしています。トラブルが発た際には、の種類や状況原因を 安定生産できているかチェックします。トラブルが発生した際には、トラブルの種類や状況、原因を調べ、対策を行います。装置の安定度を保証するためクオリティーチェックの最適化も行っています。
  • P技三
    半導体製造装置の導入と、導入した装置が安定稼動できるようトラブルの対策を行っています。今回の派遣では、装置を所定の場所に設置するための罫書きという作業を行いました。罫書き作業は、装置で使用するインフラ設備(電気、ガス、水、真空配管)と装置の設置位置を決めるための設計図を作成し、それに従って設置床に印を書いていく作業です。これにより、場所を効率的に使うことができ、短時間で且つミスをせずに装置を搬入することができます。トラブル対策では、装置毎の稼働率を算出し、トラブルで装置が停止した場合は、何が原因で停止したのか調査して纏める仕事を行いました。
  • P技四
    半導体製造時のランニングコストの削減を行っています。今回の派遣では、製造装置内部のパーツの交換コストを装置ごとに纏め、他装置と比較することで、どの装置のどのパーツを改良、変更していけば、半導体製造にかかるコストを削減することができるか調べました。

■本派遣で得られたことや今後の抱負:
 普通の学生ではあまり経験することのない素晴らしい経験をできたと思います。2ヶ月という企業体験を通じ、上長の方々と接する機会が多く、大学生活の過ごし方など、アドバイスを頂くことができました。また、自分のこれからの進路をどうすればよいか悩んでいたましたが、経験談を元に相談にのってくれとてもありがたかったです。そのため、残りの大学生活を悔いなく生活するのにどうすればよいか考えることができました。
 企業で働くのは初めてだったので、普段のバイトではできない仕事や企業の雰囲気が分かり、とてもよい経験になりました。私は半導体を製造する装置の稼働率やトラブルの原因をまとめていたので、装置の種類やデータの見方、稼働状況などが分かり、まとめていくうちに理解できたので面白かったです。また、昼食を上司の方々とたわいも無い話をしながら摂ることができたので、アットホームな職場で楽しかったです。
 実際に2ヶ月間働いてみて感じたことは、大学の講義で学ぶ専門的な知識は、企業に入ってから使う場面があるので、無駄と思わずにしっかりと講義を受けたほうがいいということです。また、社員さんの多くは半導体に関する知識を大学で教わっていなかったため、就職してから学んだと聞きました。なので、今のうちに自分から何かを学ぶ姿勢を身につけることが、社会人になってからも役立つと感じました。
 今回働かせてもらい、将来、会社で働くことに対するイメージが湧きました。ひとえに半導体の工場といってもたくさんの役割があり、自分の認識の甘さと知識の浅さを痛感しました。働いている方々からのお話を伺ったり、会議に同席させていただいたりしたことで、仕事に対する熱量などを感じました。これからの勉強のモチベーションにしたいと思いました。
 普段、生活している中ではないような経験をすることができて、将来、自分にとって役立つ経験を積めたと思いました。同時に、仕事を行っていくうちに自分の知識?スキル不足を痛感しました。専門的な知識を身につければ、今まで漠然としていた仕事内容や装置に対するアプローチも変わってくると思います。なので、今後の大学生活で色々なものを身に付け、成長したいと思います。

平成28年度 プログラム実施後のアンケート調査

2018/04/18

MS-26で行った「企業連携?教員のつながりを活用した短期派遣プログラム」のプログラムを実施した(Do)学生に対してアンケートを実施し、当初予定したPlanが妥当かということをCheckした。結果として満足度は90%を超えており、自由意見を読むと引き続き学生を中心に実施していくことが良いと思われることが確認できた。特に最先端な技術に関する興味が上がってきていることがプラス要素として確認され、今年度は少し教員からの働き掛けも入れられるようにプログラムを組むことを考え実施て行きたいと考えている。(A)。これを基に平成29年3月30日に学科のWGで議論を行い、次のPlanが決まったので、平成29年度はこの案を中心に進めていく予定である。

派遣先:

  • ソニー厚木テクノロジーセンター
  • 豊田合成
  • SONY白石
  • KVANT社
  • 東芝研究開発センター
  • 京セラメディカル株式会社
  • 日立建機株式会社(NIMS?JAXA)
  • サムコ株式会社
  • 堀場エステック
  • 大阪チタニウムテクノロジーズ
派遣は満足できましたか?
大いに満足した 22人
満足できた 15人
普通 1人
少し不満である 0人
大いに不満である 0人

自分の将来に役に立つと考えるか?
大いに役立つ 19人
役立つ 18人
普通 1人
あまり役に立たない 0人
全く役に立たない 0人
また派遣を希望するか?
積極的に希望する 22人
希望する 13人
わからない 2人
おそらく希望しない 1人
絶対に希望しない 0人

代表的な自由意見:

  • SONY白石で働いている方や東北大学の方に、今回の訪問にかかる費用が大学から出ていると言うと、とても驚かれた。自分たちがこういった恵まれた環境にいると理解した。普段体験できないような学びのコミュニティの機会をMS-26で作ることができてとても嬉しく思った。(山路)
  • 企業派遣を通して私が行うチタンについての知識や製造技術などを学び習得できた。今回の派遣は役立つものとなった。そして今後このような機会があれば積極的に参加したいと思う。(井野)
  • 交通費などが必要になってしまうので中々県外の企業に出向くことができなかったが、MS-26という制度のおかけで積極的に参加してみたいと思える一つのきっかけになった。(佐藤)
  • 今回の企業派遣では派遣先の企業の方々と交流することができ、MS-26のサポート目的である“学びのコミュニティ”の形成が達成できたと考えている。これもMS-26の経済的なサポートがあったおかげである。(水野)
  • 実際に製造工程を見ることは中々できることではなく、学校を通じてこのような機会があれば学生として参加に積極的になれると思う。これからも続けていくべきだと思う。(渡邉)
  • 今回のMS-26に参加したことで最先端の技術を知ることができ、これから自分が研究していくトライボロジーの将来性というのも感じられ、とてもいい機会だった。できれば就職活動の前に行きたかったと深く思った。(平野)
  • MS-26はとても良い機会を与えてくれたと思う。従来では担当教授が決めていた行先についていく、言い換えれば受動的な形でしかなかったものが学生主体になって行先を決める。いわゆる能動的な活動だからである。それに加え一般的な仕事の基本が学べる。企画書を作り訪問後に報告書を作る、学生からしたら企業に入る前にこういった一連の流れを勉強するにはとてもいいことだと思う。自分のやりたいことをするにはその具体案、今回であれば企画書の作成など、予算をとるためにはどのようなことをしなければいけないかなど。とても良いプログラムだと思う。(樋田)
  • 学生が企業と連携して派遣を受けることで、学生の研究におけるモチベーションが上がる良い機会だと思うので、MS-26のサポートは大いに助かると感じた。(河端)
  • MS-26を利用することで金銭面に不安を持つことなく最先端の研究設備や企業の工場見学をすることができた。良い制度だったのでまた利用したい。(伊藤)
  • 自身の研究とかかわりの深い企業が、現場で行っている最先端の研究や技術を見学?体験することで自分の将来および研究に非常に良い経験になった。また、この派遣の旅費を補助してもらえることで経済的にとても助かった。(水谷)
  • 京セラメディカルが研究していることは私の研究と共通した部分が多く、その技術を見学?体験することにより、今後の私の研究の参考になった。京セラメディカルは大阪であるため旅費もかかり、中々足を運ぶことができないがMS-26を活用することによって行くことができたため非常に良かったと思う。(佐藤)
  • 今までは企業派遣や学会への参加する機会があっても、旅費など金銭面でどうしても諦めざるを得ないこともあった。しかしMS-26により参加する機会が圧倒的に増えた。(水野)
  • このような制度のおかげで積極的に企業派遣などに参加しやすいためこれからもこのような制度を行ってほしいと思うとともに、この制度を利用していこうと思った。(丹羽)
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ