大学概要【2018年度実施分】地域PBL(Project Based Learning)型演習クラスの展開
外国語学部
本プログラムは、日本の歴史?文化を英語で発信する能力の育成を目的とし、大学が位置する東区の歴史的?文化的遺産に焦点をあて、日本の礎を築いた先人たちの足跡がたどれる「文化のみち」エリア を対象とした地域課題に外国語学部の4つの基礎演習クラスが実践的に取り組むものです。地域の歴史?文化に精通したガイドの指導のもと、学生たちはまず対象地域の遺産的価値を学んだうえで、名古屋を訪れる外国人にも魅力が伝わるように英語での情報発信も行っていきます。
ACTIVITY
文化のみちフィールドワークの実施
2019/01/07
外国語学部1年次の4つの基礎演習が合同で、東区との連携による地域PBL型演習に実践的に取り組みました。今回、学生に地域側から与えられた課題は、「名古屋城や徳川園を訪れた人たちが、その中間にある文化のみち保存地区エリアの主要施設にも訪れるような提案をすること」でした。ターゲット層としては、若い層(20 代?40 代)または外国人のどちらかに絞った案を提示することが求められ、成果品もスライド発表のみか、あるいは動画の制作やパンフレットの作成なども含まれるなど、学生の主体的な取り組みを期待するような課題でした。こうした地域課題を解決するため、10月7日(日)にフィールドワークを実施したところ、40余名の学生が参加し、午前9時から午後4時までバスと徒歩で対象地域を移動しながら動画も含めた情報収集を行いました。訪れた施設では専門のガイドによる詳細な説明を受け、学生たちは熱心にメモを取りながら取り組んでいました。対外的な情報発信が十分ではない文化のみちの魅力について、いかに若者や外国人に伝えていくか、1日をかけて現地をめぐりながら学生たちはチームで提案するための材料を集めていました。
地域課題解決案の発表に向けたチーム活動
2019/01/17
10月7日に実施したフィールドワークを通して調べた内容に基づいて、8チームがそれぞれ「文化のみちに若者?外国人観光客を呼び込むには何が必要か」について熱心に話し合いを行いました。解決策を提案する方法として、まず文化のみちエリアを実際に訪れて感じた問題点を列挙したうえで、それぞれの課題に対して多様な観点から対応策を話し合い、最後に同エリアの強みを活かした独自の案をまとめていきました。チーム単位で話し合った内容については、授業の最後にクラス全体に向けてチームの代表者が報告を行いました。文化のみちエリアがもつレトロな雰囲気を活かした提案や、バスでの移動とウォーキングとを組み合わせた地域巡りツアーの提案、さらにはこの地域ゆかりの人物や場所をモチーフにした「謎解きゲーム」の開発、さらには名古屋発祥のコスプレ文化と戦国時代の侍文化とを融合したキャラクターの創造など、魅力的かつ個性的な提案がなされていました。
8チームによる地域課題解決策のポスター発表会
2019/01/23
授業内でのチーム単位による最終提案の発表を終えた1週間後、学生たちは最後のポスター発表会に臨みました。発表会には、東区と名古屋市観光交流局の担当者に加え、フィールドワークにおいて学生に情報提供してくださった東区ガイドボランティアの皆さんも参加してくれました。広い教室を巡りながら、8チームすべての発表に熱心に耳を傾けながら、時には鋭い質問を発表者に投げかけていました。地域を熟知したガイドの皆さんの前で発表することで、学生たちの発表も身振り手振りを加えた熱のこもった発表となっていました。今回提案された8つの解決策はどれも独創性が高く、優劣つけがたい内容でしたが、最後に地域からの参加者による投票が行われ、文化のみちの歴史や文化をテーマにした謎解きのシナリオを盛り込んだウォーキングツアーが第一位となりました。
発表会終了後に学生たちから提出されたリアクションペーパーには、今回のポスター発表会において特に地域からの参加者による質問や指摘が非常に有益であったことが多く書かれていました。また、学生たちも会場を巡り、他のチームの発表を聞いて質問することで批判的思考力を身につける貴重な機会となりました。