大学概要【2019年度実施分】地域PBL(Project Based Learning)型演習クラスの展開
外国語学部
本プログラムは、大学が位置する東区の歴史的?文化的遺産に焦点をあて、日本の礎を築いた先人たちの足跡がたどれる「文化のみち」エリアの知名度を向上させるという地域課題に外国語学部の4つの基礎演習クラスが実践的に取り組むものです。当該地域の歴史?文化に精通した東区文化のみちボランティアガイドの指導のもと、学生たちは対象地域の遺産的価値を学んだうえで、名古屋を訪れる外国人にも魅力が伝わるように英語での情報発信も行っていきます。
ACTIVITY
フィールドワークの実施?名古屋城?文化のみち?徳川園?
2020/01/06
外国語学部1年次の4つの基礎演習が合同で、名古屋市観光文化交流局および東区と連携して地域PBL型演習に実践的に取り組みました。今回、学生に地域側から与えられた課題は、「学生のみなさんから見て、魅力ある要素と、反対に魅力がない要素を洗い出し、文化のみち保存地区エリアの認知度を高めるための方法を提案してください」というものでした。文化のみちの魅力ある要素とは何か、また反対に、ここを訪れたいと思わせるだけの要素がない場合は何が課題かを知るために、9月29日(日)にフィールドワークを実施しました。当日は40余名の学生が参加し、1日かけて名古屋城から文化のみちを経て、最後に徳川園に至る道のりを調査しました。地元のガイドボランティアの皆さんから詳しい説明を受けながら調査することで、文化のみちエリアは文化的志向や歴史的意識の高い人が中心に来訪するような場所であることを理解することができました。そうしたイメージの場所としての認知度を高めるには、さらにどのような提案ができるかを今後チーム単位で話し合うことになりました。
文化のみちの魅力と課題の分析および解決策の発表
2020/01/06
9月29日に実施したフィールドワークを通して得られた知見に基づき、8チームがそれぞれ「文化のみちの魅力とは何か、あるいは課題として浮かび上がってきた問題点は何か、さらにどう解決していくことができるか」について熱心に話し合いを行いました。
話し合った結果については、名古屋市観光文化交流局および東区の担当者の前で各チームが第一次提案および最終提案として2回にわたって発表しました。文化のみち二葉館にあるインスタ映えする大正インテリアに注目した案や、公園で定期市を開設して地域に賑わいをもたらす案や、名古屋市の小中高の学校向けには文化のみちで遠足をする案や、外国語学部生自らが文化のみちについて小中学校で話をする案など多様な独創的な提案がなされたのが印象的でした。自治体の担当者からは、具体的に実施するうえでの実現可能性の観点から経費の問題や小中高の実態と整合性を図る必要性など鋭い指摘を受け、地域課題に取り組むうえで批判的に考察する重要性を改めて実践的に学ぶ貴重な機会となりました。
地域課題の分析および解決策を提案するポスター発表会
2020/01/08
最終提案の発表とそれに対する講評を踏まえたうえで作成した発表用のポスターの前で、各チームが提案した内容について全員参加型で発表を行いました。ポスター発表会には、学生たちに課題を提供し、解決策を考案するまでのプロセスでも的確な助言をしてくださった名古屋市観光交流局と東区との担当者の皆さんも参加してくださいました。学生たちは、発表者と質問者に分かれ、時間制で両方の立場を経験しながら、発表するスキルと質問するスキルの両方を同時に学ぶ大変有益な機会となりました。また、地域の担当者も8つのチームすべての発表に熱心に耳を傾けながら、時には鋭い質問を発表者に投げかけてくださいました。入れ替わり訪れる聴衆を前に次々と問われる質問に対して、学生たちが真剣に説明を繰り返している姿が印象的でした。
発表会終了後に学生たちから提出されたリアクションペーパーには、今回の地域PBL型演習に取り組んだことに対して学びが多かった点や、第一次提案、最終提案、そしてポスター発表会と3回にわたって発表と改善とを繰り返すことで自分たちの案がより明確になっていったとする感想も書かれていました。その一方で、もう少し時間をかけて案を練る必要があったとする反省もみられ、今回の学びを次年度の取り組みに引き継いでいくことで本事業の3年間の集大成としていきます。