大学概要【2021年度実施分】リーダー育成支援プログラム
理工学部
本取組では、学部4年生や大学院生の中から取り組みや向上心の際立つ学生を選抜し、強いリーダーシップ性を発揮するスターを育成します。学会発表を数多く経験できるように、レベルの高い研究に対して資金面でのサポートを行います。特に、国際会議を目指す学生に対しては重点的に支援します。また、互いに刺激し合いながら異分野に対する視野を広げることを目的として、選抜メンバーによる発表会を開催します。
ACTIVITY
リーダー候補学生による学会発表(9月)
2021/10/22
本プログラムで支援を行っている学部4年生が、国内の学会にて初めて研究成果の発表を行いました。対面開催とは状況が許さずZoomを使った遠隔開催でした。
今回はポスター発表でしたが、ポスターセッションでは参加者にアピールするためのポスタープレビューと呼ばれる1分間の口頭発表時間が与えられました。この学会ではプレビューは英語で行うことになっています。1分間だけとは言え、初めての学会でいきなり英語の発表でしたが、十分に練習した甲斐もあって緊張しつつもスラスラと、時間もきっちり使い切って話せました。
本命のポスター発表では発表者が用意したスライドを開いて各チャットルームで待機し、そこに参加者が訪れてディスカッションします。遠隔でなければポスターいっぱいに情報を載せられますが、今回は情報を絞って4枚ほどのスライドにまとめました。チャットルームの使い方に最初は手間取りましたが、ありがたいことに他大学の先生方が続々と訪れ、同時進行の30件近い発表の中でも来訪者多数で目立つほどの盛況となりました。的を射た鋭い指摘や質問、さらには来訪者同士の議論と盛り上がりを見せる中、たじろぎながらも経験浅き学部生は懸命に答えを絞り出す。最後まで途切れることなくどっぷりと研究者の世界に浸り切り、濃密な時間を過ごしました。
学会を経て自分の研究のポイントも明確に見えてきました。外に出たことで、内輪とは同じようには通用しないことも身に染みたのか、研究に取り組む姿も少し研究者らしくなってきたようです。
ポスター掲示による研究室活動の紹介(10月)
2022/01/28
本プログラムで支援を行っている学生による成果発表会を開催しました。ポスター作成には、自分の研究を客観的に見つめ直す必要があります。学会と違って対象は分野外の人達であることから、専門的な内容が幅広い対象者に伝わるようにポスターを作るスキルが求められます。本来なら同級生同士刺激し合いながら理解を深めるとともに視野を広げ、下級生は次年度以降の研究生活を肌身に感じる場であって欲しいのですが、昨年度に引き続いて対面実施を断念しました。代わりに、廊下の壁面に1ヶ月間掲示してもらいました。学科所属の学生が頻繁に通る廊下であり、下級生(2.3年生)は応用化学実験のために週に1度は必ず通ります。上級生の活動を垣間見て、1~2年後に自分達が研究室でどのような活動をするのか多少なりとも想像できたのではないでしょうか。
国際学会発表に向けた研究活動(4月~1月)
2022/01/28
カーボンナノチューブは炭素だけからなる途轍もなく細く強いチューブで、本学の飯島澄男先生が発見しました。宇宙エレベータが注目される切欠となった材料でもあります。多層のものと単層のものがあるが、単層、しかも細いものが選択的に欲しい。さらにカイラリティ(巻き方)によって性質が大きく変わるため、これも制御したい。その鍵となる触媒ナノ粒子と、粒子からナノチューブが生成するメカニズムを本プログラムで支援している学生が日々徹底的に調べています。次々と新たな知見が得られており、その成果を国内の学会はもとより、国際学会でも発表しました。本プログラムで支援している学生達が頻繁に学会発表を行っている中で、このように今年度は国際学会での発表に至った研究が2件ありました。