大学概要【2019年度実施分】Society5.0&SDGs実践プロジェクト及び高校生のためのワールド?ワイド?ラーニングの支援
附属高等学校
本取組は、国内外の高校、大学、企業、地域と協働して、SDGsを含む社会課題について実践的な探究を行うことである。探究方法の一環としてNIE(Newspaper in Education)を展開することにより自発的な探究姿勢を養うことが可能になる。また、校外(国内外)の関連イベントに積極的に参加することで、自らネットワークを構築し、協働して問題解決に向かうという視点を育むことを目的とする。
ACTIVITY
SDGsとNIEのイントロダクションを実施
2019/04/19
高校では、1年生を対象に「探究基礎」という授業を展開しています。この授業では、探究活動の基礎を支える、話す?聞く?書く?読むなどのベーススキルを、マインドマップや新聞等を活用して課題を発見し、まとめ、発表する一連の探究型学習を行います。4月15日の授業は本年度初回ということでガイダンスを実施しました。ガイダンスでは、さまざまな情報が溢れる中で取捨選択することの重要性や、SNS、インターネット以外の媒体として新聞を読みこむことの重要性が伝えられました。また、今年度からの試みとして、世の中の問題に取り組むうえで、今後はSDGsの視点が欠かせないということも伝えられました。生徒にSDGsという言葉を聞いたことがあるか尋ねたところ、ほぼ全員が知らないと答えたため、SDGsの概要を丁寧に説明するところからのスタートでした。最後に、この授業の目標として“Think globally, act locally.”を伝えて初回の授業を終えました。この授業をきっかけにして、生徒たちがどんどんと校外に出て行き、様々な形で協働学習を行ってくれることを望みます。
マインドマップ講座を実施
2019/04/24
4月22日の普通科1年生一般進学クラス対象の探究基礎の授業で、マインドマップ講座が実施されました。マインドマップは、単に情報を整理するツールというだけではなく、脳の働きを最大限に引き出し、多方向に思考をめぐらすための有益なツールです。今後、本格的に探究活動を行っていく際は、マインドマップを描くことにより、自分の関心領域の洗い出し等に是非活用してもらいたいという思いで、高校入学後早々の、この時期の講座となりました。
今回の講座では伊藤学校長自らが講師となり、いくつかのワークをはさみながら、わかりやすく授業を展開していただきました。その中では「一度ある物事に気づきがあると、後戻りはできない。」「気づきが続くと脳が活性化する。」「1%のひらめきと99%の努力が必要というが、努力をものすごく重ねた後に閃くことが大切である。闇雲に努力をするだけでは不十分である。」「普段の授業では右脳をほとんど使っていないが、マインドマップを描くことで右脳が活性化し、初めて両方の脳が働く。」等、ユーモアを交えて話されました。生徒は、初めて体験するマインドマップに悪戦苦闘しながらも、まわりの生徒と自分の描いたものをシェアしながら、熱心に取り組んでいました。今後は、様々な場面でこのマインドマップを活用してもらいたいです。
NIE学習の実践
2019/05/16
普通科2年特別進学クラスでは、5月10日(金)と13日(月)の2回にわたり、朝日新聞社から平野治氏を講師に迎えNIE学習を行いました。クラス担任の早川先生は以前からNIE学習を校内外で実践しており、その指導には定評があります。今回もこの講座以前に、人物紹介記事である「この人」の英語版や学級新聞を作成していました。
10日は、新聞に関する基本的な知識や新聞を読むことによる利点がレクチャーされ、「天声人語」の書き写しや、おすすめ記事を探し出し、それをクラスメイトに紹介しあうというワークが実践されました。その際には、平野さんから「社会に出れば、多様な意見に触れるのが当たり前になるので、今のうちから多くの人と意見を交わす機会を作ろう。そして自分と異なる意見や考え方を排除する社会にならないようにしよう。」といった言葉が送られました。
13日は、10日のレクチャーを踏まえ、新聞の持つ論理性についてご教授いただきました。「論点?意見?理由」が書かれているのが小論文の基本的なパターンであると説明を受け、「自分の通りたいルート」という命題が示され、それに対し生徒が自由に文章を作りました。その際自分の意見の中に反論も入れるとより説得力が増すという旨のアドバイスを受け、各自文章を作り、グループ発表を経て、優秀な文章は全体の前で発表されました。ここで学んだことを生かし、投書をしてみようと言うことで、朝日新聞の「声(投書)」欄への投稿キットが渡されて授業は終了しました。次回のホームルームで投書の執筆を行います。
新聞に対し、生徒は勝手に難しくつまらないものというレッテルを貼っていたようですが、今回の講義を経て、「楽しく、視野を広げるにはうってつけのツールということがわかった。」などという声がたくさん聞かれるようになりました。
「この人」の作成
2019/06/12
普通科1年生一般進学クラスでは、探究基礎の授業で3週に亘って、「この人」の作成を実践しました。「この人」は中日新聞に掲載されている人物紹介記事です。タイトルこそ違いますが、朝日新聞や毎日新聞でも同様の記事が掲載されています。「この人」を作成させる目的は、記事を作成する際の取材方法を知り、その上で実際に相手にインタビューをした上で文章を構成する能力の育成を目指すものです。
1週目は、新聞についての基礎知識を伝えることを中心とし、2週目は、知らない生徒同志でペアを作らせ、それぞれが以前作成した自己紹介のマインドマップを用いて、記者になったつもりで相手にインタビューや取材をさせました。そして3週目は下書きを経て、清書をし、あらかじめ用意した写真を貼って完成させました。
はじめのうちは初対面の相手ということもあり、ぎこちない場面も見られましたが、徐々に、打ち解けながらも真剣にお互いのことをより知ろうという雰囲気で取材が進められ、その結果、多くの素晴らしい作品ができあがりました。完成品は各教室で貼りだされ6月8日の学級懇談会では多くの保護者の皆様が見入っていました。
布ナプキンをケニアにおくろう
2019/07/08
7月4日の午後に、手作りの布ナプキンをケニアにおくる活動をしているShihoさんを講師に招き、布ナプキン作りが有志の手で行われました。Shihoさんは被災地等を訪問し音楽を通してボランティア活動を行っているミュージシャンでもあります。
今回は、6月15日にGサロン(土曜日に実施される希望者対象の講座)でShihoさんに講演していただいたことをきっかけに、生徒たちが自分たちも参加したい、ということで実現しました。
この日に向けて、中心となった生徒が告知プリントを作り、有志を募りました。最初にShihoさんからケニアの現状と布ナプキンをおくるまでの経緯が語られました。また、布ナプキンに使うオーガニックコットンを提供している日本オーガニックコットン協会の理事長である前田さんからもコットンに関する興味深いお話(コットン栽培の現状、オーガニックコットンと普通のコットンの違い、コットン栽培と食の関係等)がありました。生徒たちはメモをとりながら熱心に聞き入っていました。また男子生徒が数名参加していましたが、Shihoさんは、ジェンダーについて考える良い機会であると、その積極性を称賛していました。
2人のレクチャーの後、いよいよ布ナプキン作りです。今回は分業で行うということで、型紙を切る班、型紙を布に写し取る班、皺がある布にアイロンをあてる班、布を切る班等にそれぞれ分かれて、賑やかな雰囲気の中作業が進んでいきました。生徒たちは作業の合間に、Shihoさんや前田さんに積極的に声をかけ、質問や意見交換を行っていました。
出来上がった布ナプキンはShihoさんを通じてケニアの女性に届けられます。またその際には、英語で手紙を添えるようにアドバイスされました。
今回の作業が、遠い世界の出来事でも「他人事」ではなく「自分事」として捉えることができる一歩にしてもらえたらと感じました。
「全国高校生SRサミット FOCUS」に参加
2019/09/02
7月30日から8月1日の3日間、立命館宇治高等学校と立命館大学びわこ?くさつキャンパスで行われた「第2回全国高校生SRサミット FOCUS」に生徒7名が参加しました。SRはSocial Responsibility、FOCUSはForum on Creating Unified Societiesの略で、その言葉通り、このフォーラムは全国から集まった高校生が社会の一員として目指すべき社会について考え実行する機会となります。具体的には、高校生とメンターとなる立命館アジア太平洋大学の留学生が、SDGsに関わる各校が準備してきたプロジェクト課題について協働で取り組み、実現および持続的発展の可能性を探るものです。2回目の実施となる今回は全国から18校が集まりました。本校生徒が準備したプロジェクトは「MEIJO ECO FESTAを実現させる」です。このフェスタは、既存の“SSH東海フェスタ”と“グローバルフェスタ”に続く第3のフェスタと位置付けられ、名城大学キャンパスを利用して、お祭りを通してSDGsの認知度向上を目指すというものです。
1日目は、各校生徒から成る混合グループで本校のプロジェクトをシェアし、どのような形で発展できるか、実現できるかを検討しました。
2日目は、有識者、専門家によるアドバイスを受けながら終日プロジェクトを練り直す作業に没頭しました。最終日にはプロジェクトを10分間のプレゼンにまとめるというミッションがあったため、どのグループも朝早くから夜遅くまで作業に没頭していました。
3日目は、文科省、企業、NPO法人、行政等さまざまな人たちを前にプレゼンテーションを行いました。専門家からの辛口の批評を受けることもありましたが、中にはすぐにでも実現できそうなアイデアを絶賛されるグループもあり、高校生の発想力や社会をよくしたい、という熱い想いが感じられました。
今回の各校のプロジェクトについては、2月にテレビ会議で進捗状況を報告する予定です。従って、机上のもので終わらせることなく、少しずつでも実現に向けて動き出す契機となってくれることを願います。
「高山GLOBAL SUMMER FESTA」に参加
2019/09/03
8月5日から8日の4日間、愛知県立旭丘高校主催の学習交流会「高山GLOBAL SUMMER FESTA」が行われました。これは、“グローバルリーダーになるとはどういうことか”をテーマに様々なセッションをこなしていくものです。
第5回となる今年は、本校生徒8名と、旭丘高校、三重県立四日市高校、富山県立高岡高校の生徒合計31名が、岐阜県高山市にある旭丘高校の林間学舎と最寄りの旅館で共に生活をしながら様々な交流をしました。
その場には社会人や大学生?大学院生、公募で集まった留学生がセミナーリーダーとして参加していましたが、その中には、高校時代に生徒として参加した本校国際クラスの卒業生も2名含まれていました。
フォーラムやワークショップでは、研究者や起業家など各方面の第一線で活躍する方々を講師に迎え、お話を聞くことができました。また、他校の生徒たちとも積極的な議論を、英語と日本語の両方を使って行いました。この4日間を通して生徒たちは、グローバルリーダーとは何か、について考えを深め大きく成長することができました。
文化祭でSDGsを知ってもらおう
2019/09/25
9月14日(土)附属高校では文化祭が盛大に行われました。そこでSDGsの普及に取り組む生徒たちが2つの取り組みを行いました。
一つは、SDGsの17のロゴを階段に貼り付ける活動。もう一つは今まで取り組んできた活動を紹介する活動です。どちらもまだまだ認知度が高くないSDGsの活動を来場者や本校生徒に広く知ってもらうものです。
ロゴを貼る活動は、階段のサイズに合うようにプリントアウトを繰り返し、最終的にはインパクトのある出来となり来場者の目を引いていました。
もう一つは、「Organic cottonを広めませんか?」「アフリカの女の子に布ナプキンを届けませんか」「kivaの翻訳を通して国際貢献しませんか?」等これまで生徒たちが自主的に取り組んできた活動をパネルにし、その内容を来場者や本校生徒に説明をし、幅広く認知してもらい可能ならば活動への参加を促すものです。
最初は来場者への声かけをためらいがちであった生徒たちも徐々に慣れてきて、最終的には多くの来場者に自分たちの活動を知ってもらい満足そうでした。
Global Link Singaporeに参加
2019/09/25
3年国際クラスの榊原莉音さんは、7月26から7月29日にシンガポールで開催された、Global Link Singaporeに参加しました。Global Link Singapore は、科学?社会課題をテーマに、アジア地域の中高生が国際舞台で発表や議論を交わすアジア太平洋地域における中高生の課題研究コンテストです。6回目の開催となる今年は南洋工科大学(NTU)を会場として盛大に行われました。榊原さんは、その一員としてブースオーラル発表を行いました。
榊原さんは、2月に鹿児島で行われた第4回高校生国際シンポジウムに『避難所運営ゲームHUG 高校教育への取り入れ Adapting the Shelter Management Simulation Game HUG into Japanese High School Education』というテーマで発表を行いました。そこで最優秀賞をいただき、その結果がGlobal Link Singaporeへの参加とつながりました。
4日間の参加を通して榊原さんは以下のような感想を述べています。
「発表の際には、アジアの中高生や審査員の方からの様々な視点からの質問を受けたことにより、自らの研究の展望や視野を広げることができました。また他の参加者のポスター発表やオーラル発表を聞いて、社会課題の解決に対しての多様な研究内容を知ることができ、Think globally, Act locallyの重要性を強く感じました。
共通の分野に関心を持つ、同世代の海外の生徒と意見交換ができたことにより、課題解決力やコミュニケーション力のスキルアップだけでなく、精神面でも成長できました。
この貴重な経験を経て、今までよりも強く社会に貢献したいという思いが強くなりました。」
高校としては、今後も榊原さんのように海外でも堂々と発表し議論できる生徒を増やしていきたいと思います。
HeForShe すべての人が輝く社会を目指して?Generation Z からの提言?
2019/10/11
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関であるUN Womenと資生堂が主催するジェンダー平等を考えるシンポジウム「HeForSheすべての人が輝く社会を目指して~Generation Zからの提言?」が10月6日、東京都渋谷区の国連大学で開催され、附属高校の生徒が発表を行いました。
「HeForShe」とは、ジェンダー平等を推進するための連帯運動で、ジェンダー平等が達成されれば、すべての人々の利益になる、として活動しています。
ダニエル?シーモアUNWomen戦略パートナーシップ局長による「男女平等の実現は、女性の課題ではなく、全員の課題」とのあいさつと、京都産業大学教授の伊藤公雄氏、NPO法人Gender Action Platform理事の大崎麻子氏、エコノミストの是枝俊吾氏による「Gender Equalityはなぜ日本社会に必要なのか」をテーマとしたパネルディスカッションに続いて、「Generation Z からの提言」と題して、全国から代表に選ばれた8校が、SDGsの「ジェンダー平等の実現」に向けた提言を行いました。
発表を行ったのは、2年生国際クラスの3名で「私たちが始める、アフリカの女性の社会参加に向けたプロジェクト(Our Action for Promoting African Women’s Participation in Society)」についてです。アフリカの女性の社会参加の問題を教育と就労の面から考え、生理によって就学の機会が減らないようにする布ナプキンプロジェクトと、起業機会を支援するマイクロファイナンスの翻訳プロジェクトの提言と報告がなされました。
発表後には、多くの反響をいただき、生徒たちにとって学びの大きい機会となりました。
「第1回SDGs活動体験会」を実施しました
2019/12/26
12月14日、本校生徒2名の有志が発起人となり「第1回SDGs活動体験会」が行われ、本校と他校の生徒50名ほどが集まりました。
当日は、SDGsの「5.ジェンダー平等を実現しよう」をテーマに、アフリカの女性の社会進出に着目した二つの活動を実施しました。一つはアフリカの少女たちの学校へ通えない原因の一つである生理の問題に焦点をあてた布ナプキン作成、もう一つは、アフリカの働きたい女性が多く利用しているマイクロファイナンス機関kivaの英語サイトを日本語に翻訳するという活動です。
これらの活動をペアやグループでおこなうことにより、当日はじめて知り合った生徒同士が学校の壁を越えて繋がることができ、高校生が主体的に活動する良い機会になったようです。参加した生徒からは「友達にも声をかけたい」、「楽しかったのでまた参加したい」等の前向きな反応が多かったこともあり、2回目の活動報告会をさらにパワーアップした形で実現したい、と発起人の生徒たちは張り切っていました。
なお、当日の様子を取材したものが新聞記事として掲載されました。
観光甲子園決勝大会に出場!
2020/02/14
1月25日(土)に、神戸ポートオアシスにて全国高等学校グローバル観光コンテスト(通称、観光甲子園)決勝大会が行われました。このコンテストは、世界の中の日本を意識して未来を築いていくことができるグローバルな観光人材を見出すためのものです。
具体的には、世界を観る力を具現化するために自らの気づきと構想を表現する方法として3分間のインターネット動画制作に挑戦しました。アウトバウンド部門とインバウンド部門の2部門があり、本校生徒3名は、インバウンド部門に出場し、全国215チーム中の10チームに選ばれ、発表を行いました。彼女たちは「醸造を JOZO」をテーマとして醸造業が江戸時代から盛んな愛知県半田市の中埜酒造やミツカンミュージアムなどにフォーカスし、外国人観光客を呼び込むべく地元の良さを存分にアピールしてきました。
なお、出場した佐藤ももさんを扱った記事が中日新聞に掲載されました。
全国高校生シンポジウムで附属生徒が大活躍!
2020/03/02
2月13日(木)、14日(金)に開催された「全国高校生シンポジウム」に国際クラス2年生の8名(口頭発表:森本さん、岩佐さん?大塚さん、ポスター発表:木全さん、櫻井さん、長尾さん、村井君、山田さん)が出場しました。大学教員や国際機関の研究者などの有識者による質問や講評をいただき、それぞれの研究をさらに深めるきっかけになりました。
選考の結果、森本さんの「通常学級に在籍する発達障碍児支援に関する提案」、木全さん「愛知県観光案内所~高校生がご案内します~」、山田さんの「高校生が持つジェンダーバイアスとリーダ観の関係生の考察」が最優秀賞に選ばれ、岩佐さん?大塚さんの口頭発表と村井君と長尾さんのポスター発表(岩佐さん?大塚さん、長尾さんは英語で発表)は優良賞に選ばれました。
出場した生徒からは、「他の大会より審査員の人数も多くて、質疑の時間も長く、研究内容に踏み込んだ厳しい質問が多かったから怖かったけれど、その後、講評や助言をもらえる時間も別にとられていて、これからの研究の具体的な参考を得ることができた」といった感想が聞かれました。