大学概要【2023年度実施分】機械工学における創造設計プログラム

理工学部

機械工学における創造設計プログラム
実施責任者:塚田 敦史

「創造」のキーワードの下に新しい状況の変化に対応した設計教育が重要視されています。本取り組みは、機械工学における設計の入口に力点を置いたワークショップ型の学修を目的としております。設計の入口(設計の上流段階)は、ものや価値を生み出す元となる種を創造し、そこから設計課題へいかに落とし込めるかを考えます。デジタル媒体(オンラインホワイトボード)を活用する環境を構築し、学生自身が他者とともに協働で設計の思考展開を体験的に学修します。

ACTIVITY

デジタルボードを用いた講義のトライアル

2023/10/19

 本プログラムは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に実際の講義で展開していきます。オンラインのホワイトボードを活用したワークショップの実施の可能性を探るために、これまで準備を進めてきました。その第一歩として機械工学科2年生で開講される機械設計2の講義において、ユーザ観察の模擬として画像から得られる気づきをどこまで取得できるかについてワークショップを実施しました。講義専用のネットワーク環境を整備したことから、併せてその稼働状態や学生の端末機器から問題なくアクセス可能かを確認していきました。デジタルツールを活用した取り組みは初めての試みであり、いくつか問題点がありましたが講義使用に耐えうるツールであることを確認できました。今後本講義においてさらに活用を考えながら創造設計に資する取り組みを進めていきます。

オンラインホワイトボードへ接続してオンライン操作

画像から気づきを抽出してグループで共有を図るワークショップ

各グループのボードをオンライン提示してプレゼンテーションの試行

デジタルボードを用いた講義のトライアル

2023/12/06

 本プログラムは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に実際の講義(機械工学科 機械設計2)で展開していきます。オンラインのホワイトボードを活用したワークショップの実施の可能性を探るために、これまで準備を進めてきました。今回は、世の中にある様々な日常生活機器を題材に,設計チームに見立てたワークショップにて構想設計として思考展開の構造化の学修を進めていきました。各グループの題材となった機器に対して、世の中は何を求めているのか?の探索から始まり、ユーザ役の他グループへのデプスインタビューから要求機能を抽出していきました。さらに題材とする機器のメカニズムを調査して、要求機能を実現する機構―全体構造へと構造化していきます。本プログラムでは講義専用で整備したネットワーク環境とオンラインホワイトボードのデジタルツールを駆使して、グループ一丸となり思考展開図を構築していきました。デジタルツールとしたことでサーバ(教員)から各グループの進捗が逐次確認できると同時に講義室内スクリーンに表示できるので、都度指導ができ、履修者全員の理解が進むようになりました。またアクセスしている学生名がボード上に表記されるため、学生も各自の端末から積極的に参加する意識の高まりが感じられました。デジタルツールを活用した取り組みは本年度が初めての試みであり、講義として利点を確認できました。今後さらに活用を試みて創造設計に資する取り組みを進めていきます。

グループメンバーで気づき事象から対象機器の機能をグルーピング

グループメンバーで議論しながら要求機能を整理

要求機能―機構?全体構造をオンラインで構造化

自身の端末からボードへ同時アクセスして思考展開を構築

デジタルボードを用いた講義のトライアル3

2024/01/05

 本プログラムは、創造から設計を考えていく流れを少しでも体得できることを目的に実際の講義(機械工学科 機械設計2)で展開していきます.オンラインのホワイトボードを活用した講義の可能性を探るために準備を進め,本年度の講義より試行しました.本講義最後の課題は,ある2つのキーワードを提示し,そのキーワードを元に各グループ自らテーマを設定して課題解決を探り,新しい“もの”や“こと”を提案する構想設計に取り組みました.活動報告2までに設計の上流として思考展開図の構築を学修しましたので,今回はその応用としてこれまでにない構想ができるかの挑戦になります.提案する“もの”や“こと”(全体構造)では,思考展開図のみではなく描画(ポンチ絵)の提示も条件です.グループで創造して要求機能をどれだけ深掘りできたかをみると差がみられ,特にオンラインホワイトボード上に書き表して議論できたかどうか(頭の中で閉じていないか)が影響しているように感じられました.この最後の課題では授業内の時間をもう少し確保すべきだったと反省でしたが,授業時間外で各グループが活動を進められたのはオンラインホワイトボードの強みでした.

 

デジタルツールを活用した取り組みは本年度が初めての試みであり,その利点を活かしてホワイトボード上での描画にチャレンジしましたが,描画機能を発揮できる端末が各グループに十分備えることができず,グループにより十分に提示できなかったことは反省点です.本事業の継続として次年度に各グループ共通の端末環境を整備することが求められます.

 本年度の試行をもとに次年度の講義でさらに活用を試みて創造設計に資する取り組みを進めていきたいと考えております。

グループメンバーで問題提議(テーマの設定)を議論

グループメンバーで問題提議(テーマの設定)とその気づきを抽出

思考展開を進め,全体構造をイメージ(1)

思考展開を進め,全体構造をイメージ(2)

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