2023年1月、外国語学部の教職課程の授業に、愛知県昭和高等学校の箕浦麻里先生をゲスト講師としてお招きいたしました。先生は高校に勤務されながら、高校教科書の作成、ラジオ講座のテキスト執筆協力など、多方面で活躍されています。講義においては、教職を希望されたきっかけ、先生としての仕事についてお話しいただいた上、模擬授業を実施していただきました。
新しいことに常にチャレンジ
箕浦先生は大学を卒業されたときに教職を選ばれました。その理由は、英語が好きであること、やり甲斐があること、人の一生を左右する重要な時を過ごせることであったそうです。その後、通訳学校、英語サークルで英語力を向上させるだけでなく、指導力の向上を目指し、仲間と英語の先生のための草の根英語教育研究会、“SEED” を立ち上げたり、休職してシドニー大学大学院に留学をされたりしました。本当にエネルギーにあふれる語り口で、「いつ何時でも新しいことにチャレンジできる」という思いがオーディエンスに伝わりました。
教員の仕事と教育実習の心がまえ
そして実際の教員の仕事内容や、教育実習の心がまえについてお話しいただきました。教員の仕事は校務分掌、教科指導、担任業務、部活動など、さまざまありますが、やはり教科指導が最も重要であること、その教科指導を行う実習においては、常に謙虚な気持ちで指導を受け入れ、自分の行動に責任を持ってほしいと述べられました。
特に印象に残ったのは、授業において「常にやっていることの意味を考えてほしい」です。どの科目の授業でも、発問、指示、活動などがありますが、ときに無目的にパタン化しているものがみられます。教育実習生は、経験不足な面もあるので仕方ない面もありますが、だからといって、考え無し、無目的にやってはいけません。先生の特別講義は、各所で入念に考えられていることが分かる内容で、お言葉に説得力がありました。
授業実践!
そして授業実践です。近年の英語教育では、文法知識だけでなく、運用能力の育成が求められています。後者の育成のためには、トレーニング系の練習と、インタラクション系の練習が必要と述べられ、両方の実演をしていただきました。トレーニング系はエクササイズのようなチャンツやシャドウイング、インタラクション系は目的、場面、状況を設定したタスク、そして4技能の統合への自然な流れを示していただきました。
その後、それらの指導テクニックの裏付けとなる第二言語習得の関連研究もご紹介いただきました。「経験」からだけでなく、「理論」に基づく教育実践を模索されていることがよく分かりました。
受講生の感想
今回の授業で1番印象的だったのは何をするにも遅すぎることはないことです。英語力を伸ばすために留学や語学学校に行くなど自分のスキルを伸ばすための時間を惜しまなかったことに非常に驚きました。決して学力が高いとはいえない高校に赴任された際にも、自分が持っている全てのものを生徒たちに教え、オールイングリッシュで英語の授業を行い、生徒達の英語力が格段に上昇したという話を聞き、先生の影響力を痛感しました。そうなるためには、自分自身が常に学び続けることを怠ってはならず、常にブラッシュアップしていく必要があると感じました。時代の流れや生徒の特質などをしっかりと見て、教えていくのが教師であると思いました。
(3年 前田遥香)
箕浦先生の授業を受け、「何をするにも遅いことはない」という言葉に感銘を受けました。先生になるということに自信はないけれど、やってみようと思うきっかけになりました。
1. 教えるということとは
2. 英語をどう教えるか
3. 先生として生きるとはどういうことか
ということを考え、学ぶ。という言葉に全てが詰まっているように感じました。
教える人になるための責任やそれまで積み上げるべきことを考えさせられました。箕浦先生のように、自分の英語、授業に対して自信を持てるようになるために努力を続けていきたいと思います。
(3年 勢力あかり)
名城大学外国語学部ではこれからの英語教員を輩出します
(文責:藤原康弘)
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