大学概要【2017年度実施分】産学連携による現場触発型キャリア教育(キャリア特論)の実践

経営学部

産学連携による現場触発型キャリア教育(キャリア特論)の実践
実施責任者:田中 武憲

経営学部では、地域の企業経営者やNPO関係者等、外部協力者との議論を重ね、そこで寄せられた意見も参考にしつつ、2年次生を主対象とした科目「キャリア特論」を新設しました。本科目は、教室での講義?グループワークと企業現場での実習という2部構成からなっております。前者では、協力企業から与えられた課題を受け、グループで手分けしながら、業界動向やそこでの協力企業の位置づけなどについて調査を重ね、その成果を中間プレゼンテーションで発表します。後者では、中間プレゼンテーションへのフィードバックから明らかになった課題も踏まえつつ、夏期休暇中に3回協力企業を訪問し、実際に仕事を経験します。これらの企業訪問と職場体験を経たうえで、最終プレゼンテーションを行うことになります。以上のプロセスを通じ、受講生が「働く」ことの意味を熟考するとともに、自身の望む「職業人生」とそれを実現するために不可欠な能力を明確化すること、これに伴い、専門課程の意義を理解しそれに対する学習意欲が高まることを期待できるものと考えます。

ACTIVITY

2017年度キャリア特論講義

2017/04/07

2017年4月7日(金)からキャリア特論がスタートしました。総勢11名の受講生が2つのグループに分かれ、半年間にわたってグループワークや実習を重ねていくことになります。グループ名はそれぞれ「課題A」と「ジャンケン」に決まりました。
翌週の4月14日(金)から本格的に授業が始まり、ご協力企業の鵜飼様からコミュニティ情報誌および印刷業界の動向についてお話しいただいた後、早速両グループに課題が提示されました。写真にあるようにいずれの課題もかなり難易度が高いのですが、学生たちにとって興味深い内容であったのか、さっそくグループメンバー同士で議論するとともに、鵜飼様に熱心に質問していました。これからの展開が楽しみです。

2017年度キャリア特論講義

2017/04/28

キャリア特論第3回目(4月21日)と第4回目(4月28日)の授業風景です。

第3回目の授業では、前回同様、企業講師の鵜飼俊佑様に広告業界の動向やケイ?クリエイトのビジネスモデルや同社が刊行している地域情報誌『くれよん』の制作プロセスについてご説明いただきました。商品のコンセプト、企画立案や営業のあり方などなど、『くれよん』制作にまつわる具体的なお話に学生たちは興味深げに耳を傾けていました。

第4回目の授業では、創業者である加藤輝美様にご登壇いただきました。ご自身の学生時代や起業前のサラリーマン時代の思い出話?体験談から始まり、起業された経緯や、経営者としての理念、ご苦労、そして授業のメインテーマである「企業における人づくり(人材育成)」への思いを熱く語っていただきました。学生たちは加藤様のユーモアたっぷりの軽妙な語り口に魅了されていました。

授業風景(4月21日)

授業風景(4月28日)

2017年度キャリア特論講義

2017/05/26

キャリア特論第5回(5月12日)、6回(5月19日)、7回(5月26日)の授業風景です。企業講師による講義が終わり、いよいよ課題解決提案に向けてのグループワークが本格的にスタートしました。

第5回目の授業では、与えられた課題について、自分たちは本質的に理解しているのかを中心に議論しました。学生たちは、加藤様に熱心に質問し、色々と助言を頂戴していました。

続く第6回目の授業では、グループメンバーが持ち寄った資料や参考事例について、相互に報告し合うと同時に、それら資料や事例のどの部分がどのように課題解決に活用できるのかを話し合いました。

授業風景(5月12日)

授業風景(5月19日)

第7回目の授業では、翌週に迫った第1回プレゼンテーションに備えての準備(プレ?プレゼンテーション)、それを踏まえてのグループ間での質疑応答を行いました。相手グループに対する批評はなかなかに鋭いものでした。第1回のプレゼンテーションの質向上を図る良い機会となりました。

授業風景(5月26日)

授業風景⑥(5月26日)

2017年度キャリア特論講義

2017/06/02

■キャリア特論第8回(6月2日)では、第1回プレゼンテーションを実施しました。

グループ「課題A」はイ)「繰り返し読み活用できる」、ロ)「地方創生への貢献(をなし得る)」、ハ)「読者の行動に繋がるきっかけ(になり得る)」情報誌こそが媒体力の高い情報誌であると考えました。そのうえで、イ)を実現するために「詳しいエリアマップの掲載」と、「クーポンの配置場所変更」を、ロ)を実現するために「ママさんのためのお弁当特集」実施と「マイタウン情報の強化」を、そしてハ)を実現するために「リーダーズルームの強化」と「プレゼントの変更(充実)」を提案しました。

一方のグループ「ジャンケン」は、WEBと紙媒体(『くれよん』)の共存を図っていく方法として、SNSの活用を提案しました。具体的には、LINEを通じて友達登録した読者にクーポンを配ること、そしてTwitterへのハッシュタグ付き写真投稿を促し、優れた写真を『くれよん』誌に掲載するといったアイディアです。また、最後に半ば余興として、位置情報サービスやQRコードを利用したサービスを提案しプレゼンテーションを終えました。

両グループによる以上の提案に対し、鵜飼様と加藤様からは、長所を指摘した上で、厳しくも温かいアドバイスを多々頂戴しました。

グループ「課題A」「ジャンケン」のプレゼンテーション

鵜飼様による講評

2017年度キャリア特論講義

2017/07/07

■キャリア特論第9回(7月7日)では、第2回プレゼンテーションを実施しました。

グループ「じゃんけん」による2回目のプレゼンテーションは協力企業の発展を短冊に込めて願うという、粋な計らいからスタートしました。紙媒体とweb双方の強みと弱みに関する分析が深掘りされており、提案しているアプリの目標ダウンロード数も具体的に示されました。着実に完成度が高まりつつあります。

グループ「課題A」による第2回目のプレゼンテーションです。前回の指摘を受け、提案内容を大幅に絞り込み、その分詳細な説明を試みました。グループ「課題A」のチームワーク、連係プレーはなかなかに見事です。

グループ「じゃんけん」のプレゼンテーション冒頭

グループ「課題A」によるプレゼンテーション

鵜飼様による講評です。数値データに関する誤解を指摘するなど、今回も的確なコメントを頂戴しました。

グループ「課題A」に対する講評の終盤、地産地消には地元経済に潤いをもたらす「地商」が伴うことが望ましいとの持論を熱く語っていただきました。

授業風景⑤ 鵜飼様による講評

授業風景⑥ 加藤様による講評

2017年度キャリア特論講義

2017/07/14

■キャリア特論第10回(7月14日)は、夏季休暇中に実施する企業実習の準備作業を行いました。具体的には、最終プレゼンテーションに向けての課題整理、質問票作成、自己点検シート記載、実習に当たっての心構えの確認等々です。翌週の7月21日は自習としました。ほとんどのメンバーが自発的に集まり、熱心に最終プレゼンの打ち合わせを行っていました。

両グループとも、何を質問するべきか知恵を絞っています。

グループ「課題A」「じゃんけん」の準備作業の様子

7月21日の自習の様子

2017年度キャリア特論講義

2017/08/10

2017年8月9日(水)、翌8月10日(木)の両日、キャリア特論の目玉である企業実習を行いました。季節外れの台風による影響で1日遅れのスタートです。両日とも密度の濃い実習となりました。

実習初日は朝の清掃、ラジオ体操から始まりました。
学生たちは少しぎこちない様子でしたが、清掃では社員の方々の姿を見ながら一生懸命取り組み、ラジオ体操では少し照れくさそうでした。

朝礼では簡単な自己紹介を行いました。全員、しっかり挨拶できました。

<実習1日目:8月9日>朝の清掃

<実習1日目:8月9日>ラジオ体操

<実習1日目:8月9日>朝礼

2017年度キャリア特論講義

2017/09/12

2017年9月12日(火)、ケイ?クリエイト本社を訪問し、キャリア特論の最終プレゼンテーションを行いました。鵜飼様司会進行のもと、最終プレゼンテーションが始まりました。まず、担当教員2名からご挨拶をさせていただきました。

グループ「ジャンケン」によるプレゼンテーションの様子です。女性メンバー2名が諸般の事情で欠席するというハンディキャップを負いながら、よく頑張り抜きました。

続いてグループ「課題A」によるプレゼンテーションです。一人一人が有するプレゼンテーション能力の高さもさることながら、リーダーの安富君を中心にしたまとまりの良さを感じさせる報告でした。

グループ「ジャンケン」の最終プレゼンテーション

グループ「課題A」の最終プレゼンテーション

ケイ?クリエイトの皆様によるご発言

ご多忙にもかかわらず、当日は多くの社員の皆様に足を運んでいただくとともに、建設的なご意見?ご批判を賜りました。

加藤様による最後の講評です。授業のスタート時から常に学生たちを温かく見守っていただきました。

池戸社長からもユーモアあふれるコメントと学生たちの労をねぎらうお言葉を頂戴しました。

最終プレゼンテーション終了後、ケイ?クリエイト本社の一角をお借りして反省会を行いました。学生自身の取り組みを振り返ってもらうとともに、授業の要改善点も指摘してもらいました。ご指摘のあった点は、可能な範囲で来年度の授業に反映させていただきます。

最後に、全員で記念撮影を行いました。受講生の皆様お疲れ様でした。また、本授業に対する惜しみない協力を賜ったケイ?クリエイトの皆様にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

授業全体の反省会

記念撮影

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ