PLATFORUM2018

社会連携センターPLAT主催
「行き交おう 仕掛けよう PLATFORUM」概要報告

社会連携センター

社会連携センター主催による初めてのフォーラムを、2017年12月21日(木)に開催しました。当日は産?官?学それぞれの業界で連携事業に携わるトップランナー3名がゲストとして登壇し、会場は熱気に包まれました。異業種や異分野との連携事業の先進事例から、多くのことを学ぶ機会となったフォーラムの様子をレポートします。

社会連携センターでは、フォーラムの開催を広くアナウンスし、SNSでの告知などを通じて参加者を募りました。その甲斐もあり、当日は行政、企業、NPO、そして大学教職員、学生など、さまざま立場で社会連携に関心をもつ参加者が集まり、その数は想定を上回る200名以上! 会場を拡大しての開催となり、社会連携や名城大学の取り組みへの関心の高さをうかがい知ることとなりました。
ゲストにお招きしたのは、早稲田大学教務部教育連携課の児玉千加代氏、横浜市政策局共創推進室の共創推進課担当係長である河村昌美氏、そしてヤフー株式会社コワーク推進部長兼、オープンイノベーションユニットLODGEサービスマネージャの植田裕司氏の3名。まずは学長の吉久光一より開会の挨拶を申し上げ、2026年の名城大学100周年に向けて、社会との人的交流、地域活性化への貢献など、社会連携の取り組みを一層強化していく方針などを説明いたしました。

フォーラムのスタートは事例報告から。早稲田大学の児玉千加代氏より、社会連携教育に7年間携わってきた経験から得た貴重なお話をいただきました。早稲田大学は「人間力?洞察力を備えたグローバルリーダーの育成」を目指し、キャンパス内での理論的アプローチに加え、地域や社会を実践的アプローチの場と捉え、学生が積極的にキャンパスの外に出て学ぶ「社会連携教育」を推進し、その先進的な事例を作ってきました。その最前線に立ち、学生たちに実践の場を提供するために奮闘する児玉氏の発表には多くの気づきがありました。

二人目の登壇者は横浜市の河村昌美氏。横浜市といえば官民連携によるイノベーションの先駆者であり、ジブリやポケモンとのコラボレーション、ドコモのAI技術を使った実証実験など、行政としては前例のない取り組みを行ってきました。なぜそのようなプロジェクトを実現することができたのか、そのノウハウを過去の事例を交えながらお話いただきました。また、河村氏自身が官民連携の必要性をどう感じ、連携のための体制をどうやって構築してきたのか、制約が多くある中でどのようにルールづくりを進めたのかなど、貴重な発表をしていただきました。

最後に登壇したのはヤフー株式会社の植田裕司氏。植田氏は2016年11月、東京ガーデンテラス紀尾井町にあるYahoo! JAPAN新本社にオープンしたコワーキングスペース「LODGE(ロッジ)」の立ち上げに携わり、現在は運営代表を務めています。植田氏からはインターネット企業の草分けであるYahoo! JAPANが「LODGE」を運営するに至った背景や意義、「LODGE」から生まれたコラボレーション事例など、興味深い発表がありました。また、これからの社会に必要なオープンイノベーションについて率直に語っていただき、参加者の関心を集めました。

事例報告の後には、人間学部教授である水尾衣里氏の司会進行で、パネルディスカッションが行われました。事例報告をしていただいた3名の登壇者に加えて、農学部で発酵?醸造を研究し、名城大学オリジナルの日本酒やワインを作るなど、民間企業や地域との連携教育を率先して行う加藤雅士教授が参加し、よりよい連携の生み出し方についてディスカッションを行いました。最後は、登壇者に今後実施してみたい連携のアイデアなどをボードに記入し、発表していただきました。

フォーラム終了後は北館1F「ムー ガーデン テラス」にて懇親会を実施しました。外国語学部のアーナンダ?クマーラ教授の乾杯のあいさつで懇親会が始まり、会場にはフォーラムの参加者を中心に教職員や学生が多く参加し、学外や学内間の交流が活発に行われました。食事やドリンクが振舞われ、ざっくばらんな雰囲気の中で参加者同士が歓談し、交流の中から新たなプロジェクトが生まれる場面もありました。

ディスカッションでは名城大学からより多くの共創を生み出すために必要な極意ついて考えました。水尾衣里教授からゲストスピーカーへ共創を進めるための仲間づくりや組織マネジメントについて問いかけがあり、ゲストからは突破力を磨くこと、キーマンを見つけることの重要性、そしてこれからの時代に向けて大学組織もアップデートしていく必要があることなどが語られ、たくさんのヒントをもらうことができました。
ディスカションを受けて、水尾衣里教授と鈴木秀和准教授はこれから大学内部にも共創の輪を広げ、仲間づくりをしていく決意を新たにしました。今回のフォーラム全体のキーワードとなったのは“will”。最後は登壇者と会場の参加者みんなで“私のwill”を考えてカードに記入し、フォーラムを締めくくりました。

懇親会では学生によるポスターセッションも行われました。公募で集まった10組の学生たちが1組1分程度で、正課内外で自分たちが取り組んできた社会連携活動についてパネルを使いながら発表。学生たちの活気のある声が響き渡りました。ポスターセッション後も熱心に活動をアピールする学生の姿があり、懇親会は大いに盛り上がりました。

社会連携センターが主催した初めてのフォーラムは、盛況のうちに幕を閉じました。行政、企業、NPO、大学教職員、学生などさまざまな立場の参加者が集まり、名城大学の社会連携への取り組みに学内外から大きな期待と注目が集まっていることを感じられるイベントとなりました。

参加者Interview
ブラザー工業 シニア?チーム?マネージャー 角谷裕司氏

社会連携ゾーンshakeを以前に見学させてもらったのですが、そのコンセプトや空間に可能性を感じました。今回はフォーラムが開催されることをFacebookで知って参加しましたが、非常に有意義でした。横浜市の事例はとても刺激的で、行政にこそオープンイノベーションが必要だと確信しました。また、市長の改革精神が職員全体に行き渡っていることが、成功の秘訣だと思います。こういったフォーラムがあれば、またぜひ参加したいですね。

参加者Interview
株式会社ナカムラ コーディネーター 藤井佐枝子氏

実は、私は名城大学の卒業生なんです。今日は夫と一緒に参加しました。Yahoo! JAPANの植田さんがおっしゃっていた、「大義の前では人は弱い」というのはその通り(笑)。うちは江戸時代から組み飴を手作りで製造していて、その技術を継承していくことがミッションの一つです。「文化を継承する」という大義を大切にしながらも、これからまだまだやれることがあるんだなと感じてワクワクしました。今日得たものを今後に生かしていきたいです。

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