PROJECT SUMMARY
どんなプロジェクト?
「EXPLORER BRIDGE」は、名城大学社会連携センターが主催し、東海地区の大学コンソーシアムによる起業家育成プロジェクト「Tongali プロジェクト」の共催で開かれました。このセミナーの主な対象者は、まだ具体的な構想はなくても、自分で事業や商品を生み出すことに関心のある学生たち。「現代社会で重んじられる価値観」「今、どんなテクノロジーが生まれているのか」「テクノロジーによって広がるイノベーションの可能性」「新たなものが生まれる裏側のプロセス」など、これから起業や商品開発に挑戦する上で知っておくべき内容を学び、発想力を磨くワークなども体験できるプログラムです。参加者の起業への関心を高め、最初の一歩を応援することを目的にしています。
全5回の講師は、ティッピングポイント株式会社代表の浦野隆好さん。いくつものヒット商品や社会課題を解決するサービスを生み出した実績を持つ新規事業開発のプロフェッショナルです。第4回「ヒット商品の裏側」では、多くの人が利用経験のある通信カラオケサービスの開発エピソードが紹介され、参加した学生からは「リアルな体験談がとても面白く、興味を引かれた」との感想が聞かれました。
WHAT WE LEARNED #01
新しい商品やサービスを生み出す思考法を学ぶ
第5回のテーマは、「思考の枠を外してアイデアを生み出そう」。前半では、「デザイン思考」をキーワードに、商品やサービスがどのようなプロセスで考えられ、形になっていくかが説明されました。解決したい社会課題を念頭におき、「共感→問題定義→創造→プロトタイプ→テスト」の流れの中で、発想を広げたり収束させたりを繰り返し、アイデアが具現化されるまでの各ステップでの、考え方のポイントも丁寧に解説されます。性能や技術ではなく利用する人を中心に考える「HCD(人間中心デザイン)」の視点やものごとの分析や解釈の仕方を踏まえた「プラス思考」の姿勢、前向きに発想を進める魔法の言葉「Yes, and…」など、商品開発における思考の筋道の立て方、大切な視点や姿勢を学びました。「“ネガティブな点に目がいってもあきらめない気持ちが大切”ということが心に響いた」と振り返る学生も。
WHAT WE LEARNED #2
カードゲームで頭を柔らかくするトレーニング
後半は、固定概念にとらわれず、柔軟な発想力を鍛えるふたつのワークを実施。まず取り組んだのは、カードゲーム「キャット?アンド?チョコレート」です。ランダムに選んだ3枚の「アイテムカード」を使い、「イベントカード」に書かれた問題を解決するアイデアを考えるというゲーム。例えば、「さぼっているのが見つかりそう」というイベントに、「薬」「ラブレター」「ねんど」を使って対処する方法を編み出します。一見つながりのなさそうな要素を組み合わせるには、セオリー通りではない発想が要ります。引いたカードに一喜一憂し、それぞれが頭を悩ませてアイデアを出していきました。ゲームを楽しみながら、第5回のテーマである“思考の枠を外す”練習ができたのではないでしょうか。
WHAT WE LEARNED #03
最新テクノロジーで社会課題をどう解決するか
続けて、2種類のテクノロジーを組み合わせて、現代社会の課題の解決方法を考えるワークにも取り組みました。お題のひとつは、「勉強したくてもできない」という社会課題を、車を運転せずに走らせられる「自動運転」と遠隔地のロボットに意識を移して操作する「テレプレゼンス」の技術で解決するというもの。ひとつのアイデアではなく、どんなに突飛であってもどんどん案を出すことにチャレンジしました。「Yes, and…」の考え方も使い、さまざまな角度からテクノロジーの活用法を探っていく。発表では、学生それぞれの個性も窺えるアイデアがいくつも出され、ワークを通してお互いに学び合うことも多かったようです。参加した学生のひとりは「視点の変え方を学べたのが良かった」といいます。
NEXT STEP
起業、商品開発へつながる架け橋に
「新しいものを生み出したい」と興味や意欲はあっても、まず何を考え、どのように進めていったらいいか知る機会はなかなかありません。今の社会に起きている変化や最新のテクノロジーを学びつつ、具体的な商品開発のエピソードにも触れられたこのセミナーは、学生たちにとってたくさんの気づきを得る機会となりました。ここから次のステップへと進む人が生まれるのが楽しみです。
お話を聞いた人たち
EXPLORER BRIDGE参加者のみなさん